先日、ドッグ・リレーションの松江香史子さんのセミナーにお誘いいただき、参加してきました。会場はケーナイン・アンリミテッド。普段は、犬と人が一緒に学べるいわゆる「しつけ教室」として運営されているのですが、今回のセミナーでは、しつけとは違うレベルの話で、全体的な考え方にとても共感できました。
タイトルは「体に触れることで落ち着き犬に育てよう ~バランス・ドッグマッサージ~」。
誰でも心と体はつながっていてお互いに影響を与え合うということは経験知として理解していると思いますが、この点は犬も同じです。
心の状態が体に影響するのと同様に、体の状態も同じように心に影響します。それを活かして、体から心にいい作用を加えていこうというのが、バランス・ドッグマッサージの考え方のようです。
ポイントは「体に意識がある」かどうか。
体に意識がある状態というのは、呼吸も深く、心に余裕があることにつながるので、まず体に意識をさせることが大切と考えます。
逆に、体に意識がない状態というのは、たとえば、郵便屋さんがやってきてピンポンと鳴らした時、興奮して玄関に走り出す犬などですね。何か刺激が加わって反射的に反応している状態のようです。
また、同じ待つという行為でも、リラックスして待つ犬と興奮して待つ犬では違いますよね。しつけでは、犬にふるまいや行動(例えば「待つ」という行為)を教えるのに対して、バランス・ドッグマッサージでは、落ち着いた気質を備えることを目的としているとのこと。
このことを松江さんは「理性の器」という言葉を使って説明してくれました。ストレスや刺激が加わったときに理性の器が小さいと、すぐに溢れて「反応」が出てしまいます。理性の器が大きくなれば、同じストレスや刺激が加わったとしてもすぐに溢れないで、意識を保ったまま対処することができるようになるということ。
ストレスや刺激に対して出てくる反応は大きく4つに分けられていました。
- Fight(攻撃する)
- Frighten(脅える)
- Freeze(固まる)
- Fooling around(おどける)
自分の犬にあてはめて考えると、反応にも癖が見つかりませんか?まずはそれを知ることが重要とのこと。
もう1つ重要なのは、加えるストレスや刺激について。大きな音や飼い主のイライラなど、普通に考えられること以外に、かまいすぎることなども犬にとっては同じようにストレスになっている場合があるということ。これではいつまでたっても犬の気質は変わりません。人はよかれと思ってすることでも、犬にとってはストレスになっていることはいろいろありそうです。
途中、参加者の犬の写真を見ながら、チェックするポイントや姿勢から読み取れることなどを解説してくれました。
そこでの気づきは、前半身は普段から人に触られて意識があることが多いけれど、後半身に意識がない犬が多いということ。なので、後肢や足先、しっぽなどをゆっくりと軽く圧を加えながら触ってあげるといいようです。
普通のマッサージでは、筋肉をほぐしたりするので、犬が気持よくなって目を細めたりますが、バランス・ドッグマッサージでは、あくまでも体に意識をさせることが目的なので、むしろ「なんだこれは!?」みたいな顔をして違和感を感じてもらっていいようです。
今回のセミナーでは、体に意識を持たせて犬に気づきを与えることの大切さについて学んだのですが、飼い主にもいろいろ気づきを与えてくれる内容でした。
バランス・ドッグマッサージは、しつけとは違った、もっとベースとなる気質に作用する方法ということで、とても興味深い分野だと思います。「落ち着き犬はしつけでは作れない」という言葉が妙に印象深かったです。
どうも自分の思うようなしつけができないという方は、少し違った角度から考えてみるのもいいかもしれません。犬にも人にも新しい気づきがあるかもしれませんよ。
(akira)




コメント