36代大統領ジョンソンと犬達。彼が共に遠吠えをする写真で有名な雑種犬 Yuki は来賓のもてなしに市内観光にも出掛け、ジョンソンは「Yuki はテキサス訛りで歌える」とジョークを飛ばした。Yuki のほかには Him と Her という2頭のビーグルも彼の自慢であった。[Photo from L. B. Johnson Library and Museum]
セオドア・ルーズベルト26代大統領の状況はノアの箱舟に近く、同僚からは「テディ(セオドアの愛称)は何でも飼っている」といわれるほどの動物好きであった。
ピットブルテリアの Pete とチェサピークレトリーバーの Sailor Boy、その他テリアに雑種にスパニエルなどなど多くの犬達だけでなく、馬に猫にモルモット、カンガルー、豚そのほか野生動物に熊までもが彼の人生を共にした。
故郷のロングアイランドにはペット墓地を作り、私生活ではアマチュア鳥類学者としてバード・ウォッチングの本まで著した動物好きの彼にちなんで、NY のセントラルパークにあるドッグランは一時「テディス・ドッグラン」と呼ばれていたそうだ。
その影響か、従兄弟のフランクリン・ルーズベルト32代大統領も負けず劣らず多様な犬と暮らしていた。中でもスコティッシュテリアの Fala は有名で、大統領の公務の傍には必ずその姿があった。従妹が Fala に寝返りやジャンプなどの芸を教えていたことも国民の人気を得る秘訣となったようである。その後 Fala はルーズベルト大統領の犬として初めて、ワシントン D.C.の記念博物館に銅像が建てられた。またジャーマンシェパードの愛犬 Major は、訪問客であるイギリス首相を噛んだとか。
愛犬 Tip たちとハイドパークで橇を楽しむ若き日のF. D. ルーズベルト。[photo from F. D. Roosevelt Presidential Library and Museum]
アイゼンハウアーは34代大統領に選ばれた際に、飼っていたワイマラナーの Heidi を国民に紹介したことから、アメリカでワイマラナーの知名度を一気に上げることになった。
ケネディ大統領は分かっているだけでもジャーマンシェパード、ドーベルマン、アイリッシュ・ウルフハウンドほか数多くの犬と暮らした。また1961年には当時のソビエト最高指導者フルシチョフから Pshinka という犬(宇宙飛行をした犬の親戚らしい)を寄贈され、冷戦時代であったことから当初はスパイ行為に関わる盗聴器などが仕掛けられているのではないかという疑いまでかけられたが、以来ほかの犬たちと共に「バーチャル K9 Corps(警備犬)」の一員としてホワイトハウスで暮らした。
その後もニクソン、フォード、カーターと続きブッシュ41代大統領まで、ホワイトハウスに犬の出入りが絶えることはなかった。
ホワイトハウスに降り立ったレーガン40代大統領夫妻を迎える愛犬 Rex。双方に再会の喜びがあふれる微笑ましいショット。[Photo from Ronald Reagan Presidential Libraly]
42代大統領クリントンのときにようやくこの歴代の伝統は破られ、まず猫の Socks を連れてホワイトハウス入りしたことから職務は始まった。しかし彼自身伝統を破ることに思いとどまったのか、二回目の任期に入りチョコレートカラーのラブラドール Buddy を受け入れた。
批評家によれば「セクハラ事件により落ちたイメージをアップするためだ」という指摘もあったが、いずれにせよラブのチャーミングさがハードな公務の助けとなったことはたしかなようだ。
Buddy という名はクリントン自身が父親像そして犬のトレーナーとして最も尊敬していた大叔父から。[Photo from CNN]
それはさておき、この歴代米大統領の伝統と犬の関係はけっして付け焼刃や人気取りのための見せ掛けのものではない、ということは見て取れると思う。確立から言うと「犬好きが大統領になれる確立が高い」というべきか?これだけ犬好きの大統領たちが多いと、犬好きの国民は頼もしさを感じることだろう。
次のファースト・ドッグも楽しいエピソードを残してくれることを期待している。
さて、日本の政治家にも本当の(ここ大事)犬好きはいないものだろうか?
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おもしろい記事でした!
ほんとです!ほんとうの犬好きの総理、求ム。
でも犬好きが大統領になる確率が高い、のは偶然ではないかも。
ほんとに犬をしつけるならば、自制心がきいて、テンション高く、志があらねば。ですものね。あらいい男の条件でもあるわ♪
kyokoさんでも、あるけど(笑。
投稿: ひより | 2008/10/14 21:17
大統領選真っ只中のアメリカです。
今回の記事、1〜2と超大作でしたね。とてもおもしろかったです。
現ファーストドッグのスコティッシュテリア君達、あまりお行儀がよろしくないのですが大統領もそれを見てもいつも笑っているだけ。
カリスマドッグトレーナーのシーザー・ミラン氏が「ピットブルとかドーベルマンとかのパワフルな犬種でなくて良かったね。
大きな犬があんな風に振る舞っていたら大統領の威信丸つぶれだもの」と犬にリーダーシップを取れないブッシュ大統領をチクリと皮肉っていたことがあります。
昔の大統領はワイマラナーにピットブル、ジャーマンシェパード、アイリッシュウルフハウンド、蒼々たるラインナップですね〜。
うん、やはりこういう犬をビシッと統率できる人はリーダーとして頼れる感じがしますね。
投稿: あが | 2008/10/15 01:06
ひよりさん
私、日本の政治家の中にも犬を好きな方っていると思うのですよね。
ただそれがなかなか表に出てきてないだけかもしれない、と思いたいのです。
もしも人気取りのために焦って犬飼う政治家でもいようものなら、すぐにバレてしまうでしょうけど。
私、ひよりさんのタイプですか?ありがとう!(笑)
あがさん
本場からのコメントをありがとうございます。
私、このテーマを結構あなどっていました、だって調べれば調べるほどそれぞれの大統領と犬とのエピソードが山ほど出てきて、それがまた面白くって...
すべてをまとめてコンパクトに仕上げるのがとても惜しかったです。
見栄えを良くするためだけに犬を飼っちゃいけないけど、でも犬がいることで人間性が見えてくるのはたしかですね。
それが凶と出るか吉と出るか、そこが実は見所だったりして。
そういえばブッシュ大統領は抱いていた犬を子供たちの目の前で落としてしまった、なんてのもありましたね。
さすがミラン氏、良く見てる。(笑)
投稿: 京子アルシャー | 2008/10/15 04:16