トップ >  暮らし・日常 > コッツウォルズで犬を飼う (3) - 審査を受けて犬を選ぶ

(1)man and dogs.

[Photo from K.W.]

その日、私達が迷いに迷って DOGS TRUST に辿り着いた時、緑美しいコッツウォルズ地方は夕方になろうとして、羊の丘は赤く染まり始めていた。

「犬を見たい」という旨を説明すると、質問表に記入するよう言われる。質問票には、住所や名前はもちろん、職業、収入、犬を飼った経験、家の広さ、家族構成、他の動物の有無、1日に家を留守にする時間、どういう犬を飼いたいのか、庭のフェンスの高さまで事細かに記入せねばならない。

身元や犬の将来が保証されない人には簡単には渡してもらえない。家を1日に3時間以上留守にするような人も犬の養子縁組は難しい。

もうすぐ閉館の時間だったが、スタッフはとてもフレンドリーで、私が見るからにアジア人であっても、何も温度差が感じられない対応だった。海外に住む以上、人種による差別は誰でも一度は経験したことがあるかもしれないが、イギリスの馬の世界は特にそれが顕著に出ることがあったので、親切で丁寧な、犬と働く人達に親近感を持った。犬が好きなことに国境はないのかもしれない。

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里親希望者は順路に従ってこれらの犬舎をのぞいていく。

イブシャムの DOGS TRUST の犬舎は、パラソル型と言われる犬舎で、1つのパラソル型の建物には数頭の犬が個室で飼育でき、真中の部分から人が餌やりや清掃をすることができるものが、何棟も分散して建っている。

全ての犬舎は外気に触れて陽に当たることができる外側と、床暖房設備の整った室内の部屋に分けられていて、犬がどちらの部屋にも自由に行ったり来たりできるようになっている。併設されているキャッツプロテクション(猫のレスキューセンター)にいる猫たちは、新しく入ってきた犬が、家庭で猫と上手く生活できるかどうかを審査する、大事な役目も担っている。

動物関連の学生をしていることはアドバンテージになったが、最初の審査で最もネックになったのは、やはり日本へ帰国する時のことだった。もし日本に帰国する時は連れて帰れるかを何度も問われた。その時が来たら一緒に日本へ連れて行くと私はきっぱり言った。しかし連れて帰りたいことは本心だったが、確証はなかった。でもそう言った。無責任だったかもしれないが、その頃の私は若くて馬鹿に不安だったのだ。それでもスタッフは私を信じてくれた。そしてその約束は事実、守られた。

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それぞれの犬舎には、犬の特徴が細かに書かれたプレートが貼ってあり、それを見ながら、ライフスタイルに合った犬を探す。プレートには、雄か雌か、何歳か、ここに来た理由、好きなこと嫌いなこと、性格、何歳以上の子供との同居ができるか、猫との同居ができるか、馬や牛などの家畜と仲良くできるか、など事前に審査されたことが、明記されている。「僕はアルコールを飲んでいる人間が苦手」などのメッセージも時々あり、その犬の過去の厳しさを想像させる。仕切りの奥は水やご飯などが置いてあるくつろぎスペース。

やっとのことで、犬を実際に見る許可を得ることができた。多くの犬達がはちきれんばかりにシッポをふって「ワタシを選んで!」と新しい家族を待っていた。ある犬は個室の犬舎においてあるソファで丸くなり、ある犬は飛び跳ねてお客を歓迎する。威勢よく吠える犬もいれば、行儀良く柵の中から外を見ている犬もいる。様々なブリード、クロス(雑種)、短毛も長毛も、大きな犬もいれば、小さな犬もいる。

その人のライフスタイルに合った犬を飼うということは大事なことで、小さな家の人がウルフハウンドを飼ったり、忙しい人がジャックラッセルテリアを飼うことは望ましくない。里親として犬を引き取る場合も同じことで、自分が置かれている環境や生活の中で、「どういう犬を飼いたいのか」という希望を考えることは人にとっても犬にとっても重要だ。私の場合、一軒家だったが、賃貸のテラスハウスだったことを考えて、短毛で吠えない犬が良いだろうと思っていた。

それから実際に顔合わせしてみて、その犬との相性を確かめるのも大事なことだ。レスキュードッグを引き取るのだから、どんな犬でも文句言わずに引き取るのが筋ではないかと思う人もいるだろう。でもそれではとっつき難くて人は尻込みしてしまうし、後々「こんなはずじゃなかった」という結果にもなりかねない。レスキュードッグを「慎重に選ぶ」ことも重要なことなのだ。犬舎をグルグル何周も歩き、かかっているプレートの情報、実際に犬に会ってみた感覚、散歩に連れ出して一緒に歩く感覚、散歩中の犬の行動、色々なことが複合して、「この犬だ!」と思う。

そして私はラーチャーのスペンサーと出会った。

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コメント

早く続きが読みたい!!です。

投稿: ノナ | 2008/11/03 09:28

ノナさん

コメントありがとうございます!
2週間後をお楽しみにしてもらえたら嬉しいです。
良い1週間をお過ごし下さい。

投稿: Mie Shinki | 2008/11/03 17:42

人間にとっても犬にとってもお互いの相性とかがあるから、「慎重に選ぶ」というのは大事ですね
私も早くつづきが読みたいです

投稿: るい | 2008/11/06 12:45

るいさん

コメントありがとうございます!!

全くもって仰るとおりです。動物を飼う場合は、どんな時でも、自分の生活や環境にいかにフィットするかを考えて、十分リサーチしてから迎えてもらいたいですよね。

かわいいからこの子、かっこいいからこの子、欲しいから欲しい!では上手く行きません。

相性、これは2頭目を迎える場合も同じですよね。日本だとほとんどが事前に顔合わせもせずに、ある日突然新しい犬を連れてきたということが多いでしょうが、相性は大事にしたいものです。

絶対に仲良くなれない人、はじめからなんだか気があう人、人間では顕著ですよね。

では、また来週をお楽しみに!have a nice day!

投稿: Mie Shinki | 2008/11/06 19:06






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