冷たい雪の上でも犬はなぜ平気?その秘密は肉球の構造にあるのだ。
朝起きるとあたり一面真っ白な銀世界。それでも外トイレ派の我が犬は朝の用足しに、そしてこんな日に限って私は朝食用のパンを買いに出掛けねばならぬ。
冷たい空気が肺に入り、体がぴりりとする。足元はすでに雪かきがなされ、滑らないようにと細かい砂利が撒いてある。寒さにたじろぐ私を他所に、犬は玄関先でぶるぶるっと武者震いした後すぐに元気に走り出した。
たぶん私が裸足でこの雪の上を歩いたならば、とてもじゃないけど冷たさと痛さで一歩も動けないはずだ。でも犬の肉球はヒトの軟弱な足とは構造が違う。
犬の肉球はヒトの足の裏(または手のひら)に比べて皮膚の層が厚く、表面は硬いケラチンで覆われている。そしてその下にある分厚い脂肪層が肉球の大部分を構成し、脂肪層の中を通る血管や神経の断熱・防寒の役割を果たしているのだ。だから肉球は丸くて、厚い。
この丸くて厚い肉球がある限り、犬は多少の寒暖を気にせずダートも平気で歩ける。ヒトと同じ感覚での心配はご無用というものだ。
[Photo from hiddenwolfeaglefeather]
ただし、雪の上での長時間の散歩や運動、あるいは除雪のために塩を撒かれた道を通ったりということを毎日繰り返せば丈夫な肉球も少々傷んでくるのは事実。肉球が傷むと表面は著しく乾燥し、フローリングの床などでは滑りやすくなるほか、表面に亀裂が入ることもある。
家に帰ってきたらまず人肌程度に温かいお湯で足を洗い、そのあと表面にワセリン(または市販のポウケア用品)を塗りこもう。できるだけたっぷり時間をかけて塗り、余分なワセリンはべたつかないように拭き取る。これをせめて週に一度は行いたい。
健康な肉球の表面は柔らかくて弾力があり、地面の凹凸に柔軟に対応する。
写真を縦にして見るとまるでテディベアのような肉球、ワセリンを塗った後はとても艶やかで柔らかい。残るはテディが着ているこの毛皮である。
雪の上を歩くときのもうひとつの足のお手入れは「長毛犬種における肉球の間の毛」。犬の肉球の間には汗腺があり、運動や散歩によって犬は汗をかく。汗をかいた足の毛には雪がつきやすく、気温が低いときには肉球の間からのぞく中途半端に長い毛がどんどん雪玉を作ってゆく。
こうなっては歩きづらいどころか、肉球の間の柔らかく敏感な皮膚に長時間冷たい刺激が伝わり凍傷にもなりかねないので、我が家の「砂漠の犬」サルーキーではわざわざ肉球の間の毛を切っている。
ところが、これがハスキーなどの寒冷地仕様の犬種では肉球の間の毛は密に生えているので雪玉は出来ず、切ってしまうよりもそのまま放っておく方がかえって滑り止めとしても役に立つのだ。自然はちゃんと考えられているなぁとつくづく感心する。






以前、拙ブログでも「ムダ毛か、否か?」と題してこの足の裏毛について書いたことがありますが、結局、どうなのだろう?というままで終わっていたものです。
そうですか、犬種によって切るべきか切らざるべきか変わるのですね。
今まで一度も、爪も、毛も切ったことがなかったのですが、最近になって長老犬だけはフローリングで滑るため、切ってやるようになりました。
他の犬達は、必要性を感じないため、切っていません。むしろ、切らない方がクッション&ガードになっていいのではないかとすら思っていまして。
うちの犬達が雪遊びをするなら、生まれ故郷を考えると、切らない方が良さそうですね。
あ、チワ共のは切ってやってます。爪も、毛も。
伸びるのが、早いのなんのって!
投稿: ハニフラ | 2008/12/05 16:38
うちは肉球の間に雪球ができるので切る派でしたが、切るべきか切らないべきかは、犬種によって考慮すべきなのですね。
また一つお勉強になりました。
肉球はにほいを嗅いでたのしむだけではなく(あの香ばしいニホイがたまりません)、これからは京子さんのお手入れアドバイスを参考にちゃんとお手入れします。ドイツの冬は長いですものね。
投稿: Mitsa | 2008/12/05 19:43
>ハニフラさん
いえ、私も別に犬の足の裏ばかりを追いかけているわけではないんですけどね、犬種毎に足の形が違うのが面白いなぁと思ったのが始まりです。
足の裏毛を切るのはいろんな理由がありますよね。雪が降る地方の砂漠の犬とか、暖かい地方に住む長毛犬種の汚れ防止とか足洗いの簡便性追及とか。冬場の場合は雪玉のつき具合で判断してよいと思います。
その他、フローリングではやはり滑ると股関節脱臼とか心配ですから、室内では毛を切ってさらに肉球を柔軟に保つのがまず第一です。
家の中を多くうろつくこともなく、戸外で邪魔にならなければ毛は特に切る必要はありません。
チワちゃんたちの爪は伸びるの早そうですね。爪の硬さに対する体重の負荷が少ないのかな?
>Mistaさん
ドイツの冬、長いです。個人的には一年の半分くらいが冬な感じ。
肉球のにほい、お好きですかぁ。一番汗臭いですよね、特に夏場は。足洗ってるのに、近くによるとほんのり臭う。(笑)
ハスキーの肉球が猫みたいなのに比べて、サルーキーの肉球は長めのテディといったように犬種によって肉球の形が異なり、雪玉の出来具合が違ってきます。
うちの犬(サルーキー)の足見てると「ああ、砂漠向きなんだな」って思いますよ。砂にうずまらないようにちゃんと指が広がるんです。んで、そこに雪玉が見事に出来上がるんです。
肉球のお手入れ、楽しいですから続けてくださいね。
投稿: 京子アルシャー | 2008/12/06 08:02