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On a Walk

デザイナードッグを扱う世界では、パグとビーグルとの掛け合わせにより生まれた犬を「パグル」と呼んでいる。[Photo from schopie1]

この頃時々耳にする言葉「デザイナー・ドッグ」。アメリカから来たものだと容易に察することができる。

この言葉の指すものとは「異なる犬種を意図的に交配させて生まれてきた犬」のことで、昔で言えば「雑種犬」、近頃の言葉で「ミックス犬」というヤツだ。

「デザイナードッグ」とは犬の商品価値をあげるためにメディアが考え出した雑種犬たちへの呼び名である。

今デザイナードッグとして注目されているのは、パグとビーグルから生まれる「パグル」をはじめ、コッカースパニエルとプードルから生まれる「コッカープー」、そしてチワワとダックスを掛け合わせた「チワックス(またはチウィーニー)」などなど、小型犬にその傾向が強く、リストにあげてみるとえらい膨大な数になる。

並べ立てられたデザイナードッグの名前を見ているだけでもう「勝手にカクテルして勝手に名付けりゃいいってもんじゃない!」とあまりの節操のなさに少々怒りも湧いてくる。

元はといえばアメリカの人気ミュージシャンやハリウッドスターたちがこぞってこの手の犬を抱いた写真がゴシップ雑誌などで面白おかしく取り上げられたことからブームとなり、これまでの「雑種犬」は一躍地位を上げたというわけだ。

犬の繁殖もずいぶん荒れたものだとため息をつく私をあざ笑うかのように、下手するとこれらのデザイナードッグには勝手に愛好会がつくられ、これまた勝手に「犬種スタンダード」などというものすらも作られているからもう脱力の限りである。

Chelsie in Repose

換毛のないプードルは犬アレルギー持ちにとって最もフレンドリーな犬種とされることから、デザイナードッグの中でも多用されている。その名は「パピプー」だの「ペキプー」(写真)と言った風に、だいたい「プー」がついていることが多いのでよく分かる。[Photo from A. E. Robinson]

歴史的に見れば犬種改良の始めは他犬種を掛け合わせることから始まったのはたしかである。ヒトは犬を使役目的にあわせて、より能力の高いものを求めて多犬種を交配させてきた。それはあくまでも犬が家畜であるという概念から改良を繰り返されてきたわけで、今でもこの概念はヨーロッパの犬のブリーディングの基本になっている。

ただ、そこでマルチーズとチワワをわざと掛け合わせて期待するものはなんだろう?「既存の犬種では面白みがないから」との声が聞こえてきそうだ。

しかも小型のデザイナー・ドッグに限ってやたらと仔犬を使った写真で訴えてくるものが多く、いかにもブームを煽ろうというのが丸見えで、ここが私が一番気に入らないところでもある。

090109_designerdog3_2

個性のある雑種犬ならいくらでも動物シェルターにいるのだけど、それではダメなのか?これまでの雑種犬が「デザイナードッグ」というブランドに変わり、呼び名ひとつで捨てられる犬の数が減ってくれるのならばそれもまた良しかもしれないけれど...ただのブームだけでやたらと雑種を生み出してみると言うのはどうも命を玩び過ぎている感がある。もっともこれは雑種に限らず「流行犬種」全般に言えることだが。

数年前ならシェパードとラブラドールとシュナウザーの雑種に見向きもしなかった社会は、ブームというだけでこれを「シェラウザー」とでも呼ぼうというのか?

今のブームの中心には先日の拙記事「タイプ別に見る犬の飼い主像」でいうところのプレステージ志向派が大きく陣取っていることもあり、犬の事を考えると今後このタイプの飼い主達が現実の犬との生活を通して変わってきてくれることを私はただ期待するしかない。

おそらく最も問題なのは「デザイナードッグ」と呼ばれる犬達が流行に乗って増やされ、そしてブームにかこつけて大金をせしめる輩が出現するということだと思う。

ブームが過ぎてしまえばこれらの雑種犬に何十万も払う人間はいなくなる。

ブームよりも犬の寿命の方が長いことだって忘れちゃいけないね。

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コメント

はじめまして、私は、子供の時からの犬きちがいで、40年来、ずっと犬を飼い続けています。
最近のペットブームはいったい、どうなっているんでしょうね。
私が小学生だった頃、丁度、東京畜犬の全盛期でテレビに東京畜犬の社長が出演したり、「ペットのある暮らし」という東京畜犬が発行した月刊誌が出たり、趣味と実益をうたい、それまで見たこともなかった、珍しい犬種を飼育、繁殖することが、一大ブームとなっていました。
犬の価格はすごく高かったと思いますが、繁殖をさせ、子犬で返すというような仕組みだったかと思います。
そして、引き取った犬をまた、新しい繁殖委託者に販売するといった、ちょっとネズミ講ぽっいことだったように思います。
しばらくした後、東京畜犬は経営破綻しましたが、飼育施設にいた
沢山の犬たち(600頭と聞いております。)が栄養失調により命を絶ったと聞いております。
私の記憶する限り、一般に純血種の犬が現在の様に行き渡り、ペットショップ並びに繁殖業者が増えたのはそれからだったように思います。
現在の畜犬関係の方の中に東京畜犬に関係していた方も少なからずいらっしゃるようです。
二十数年前まではペットの犬の価格はあくまでも犬質にリンクしていたと思います。従って、当然、スタンダードに近い犬ほど価格がった、ペットの犬の何倍もしました。
しかし、何でしょうか、今は、ペットショップのウインドーを覗くとミックスと書かれた犬が純粋種より高いじゃありませんか。
「早い話が雑種でしょ」
何が悲しくて雑種にお金払うんでしょうか。
犬種を固定するために努力した真面目な方々がいるんです。
あえて雑種を繁殖するとは、悲しいじゃありませんか。
ドックショーやブリーダーを揶揄される方々もたくさんおられるとは思いますが、様々の人たちの努力が形になって、私たちは好きな犬種を選び、一緒に暮らせる楽しさを味わえるんだと思います。
テレビでペットビジネス科なんていう宣伝を見ましたが、違うと思います。
ペットと係ることがまずビジネスありきではないのではありませんか。

投稿: チワワの母A | 2009/01/09 18:18

いわゆる雑種犬、私は好きです。世界に1頭しかない個性と育ってみないとわからない犬種の性格を楽しむことはいいことだと思っていました。我が家のワン(♀)は純粋な(?)日本犬ミックスの男の子がダーイ好きです。
でも、それがお金儲けのために意図的につくられる命ならば大変心外だと思います。長い時間とその地域ならではの特質、そして与えられる仕事によって作り出されてきた犬種が、ただ珍しいから、可愛いからと、まるでぬいぐるみでも作るかのように次々と生まれては消えていくのは悲しすぎます。
アメリカではやると、あっという間に日本でも流行します。チワワの母Aさんが書かれているように、ペットショプのウインドーを飾り、折り込みチラシで宣伝され、犬関係の本やTVで話題になります。目を覆いたくなるような現実です。
以前、夕方のニュース番組(バラエティではなく、ニュース番組ですよ)で、人気の犬だと取り上げられたときには、すぐに番組のHPに抗議のメールを送りました。そろそろ、日本の愛犬家たちも声をあげるべきだと思います。
ペットブームという言葉はあるべきではないです。ブームがあると、必ずブームが去る日がくるのです。そして捨て去られる大切な命もあるんです。その日が近いのではないかと、不安に感じています。
長文の上、とりとめのない文章になり失礼いたしました。

投稿: むつき | 2009/01/09 18:42

新年の挨拶としては遅すぎですが、あけましておめでとうございます。
今年も興味深い記事で勉強させて頂きたいと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

デザイナードッグ、またはハイブリッドドッグ(これまた「なんじゃそりゃ?」の呼び方でしょう。車やないっちゅうねんと言いたくなるような 笑)と呼ばれる雑種犬ブームを作り出した罪深いアメリカ、そして多分その震源地と思われるハリウッドのすぐ側に住んでいて、肌で感じる温度としてはそのブームはたいしたものではありませんでした。メディアでの取り上げ方も「変な名前つけて呼んでるけど、シェルターに行けばそんな犬はいっぱいいるのにね」という感じの地に足がついたものが多かったように思います。
過去形であるのは、それが3〜4年前のことで今現在そういった動きを目にすることがほとんどなくなったからです。
雑誌に登場するハリウッドスターも小型犬を脇に抱えているようなタイプの人たちはどちらかといえば嘲笑の対象。
ミリオネイアーの大スターであっても愛犬はシェルターから引き取った雑種犬という人が数多く、そういった人たちは尊敬の対象となっています。
ただ常にアメリカ経由でブームが起きる日本への影響を考えると、やはりその罪は大きいですね。
デザイナードッグのスタンダードなどという信じられないものができると、それに沿わない子犬はいったいどうされるのか。雑種犬は同じ親から同時に産まれた兄弟でも驚くほど違う外見であることがよくありますものね。

アメリカのまねに流れがちな日本のペットブームですが、願わくば行政の部分でアニマルシェルターの整備やアニマルポリスの設置、寄付に関する税制の優遇などを真似してほしいと切に願います。

投稿: あが | 2009/01/10 02:24

こんばんは。
私の犬も、いわゆるF1、こちらで言うところのデザイナードッグです。
もう9歳になり、この子を譲り受けた時は、そのような呼称は無く、流行でもありませんでした。良く、何と言う犬種ですか?と聞かれてきたので「○○と○○のミックスです」と言う言い方をしてきましたが、ここ数年のミックス犬流行りで、とても恥ずかしくてそういった言い方はしなくなり、単に「○○混じりの雑種です」と言うことにしています。

ずっとこの子を誇りに思ってはいますが、うちの犬は管理ミスでの繁殖でもありますし、ミックス犬流行りで、初めてF1であることが「恥ずかしい」と思いました。(犬にとっては全く関係の無いことですが)
珍しいものに飛びつく消費者、それを煽る業者、また、家庭犬で安易に異種を交配させるお気楽繁殖者。本当に何とかならないものかと思います。


投稿: 春吉 | 2009/01/10 02:26

>チワワの母Aさん
お話をありがとうございます。
日本で犬が普及した背景にはまず犬との付き合いありきではなく、お話のとおり純血の洋犬などをお金儲けのネタとして扱っていたのが始まりで、それは今でもたぶん変わりのない現実なのです。
これもまたアメリカの影響なのでしょう、ショードッグと家庭犬を分け、価格にも差があったり、扱いにも差があったりします。
ペットビジネスという言葉はもちろんこちら(ドイツなどのヨーロッパ諸国)では見かけませんよ。こういった言葉を掲げた段階ですでに世間からバッシングを受けます。この辺が、たぶん「動物保護」に対する国民の感覚の違いなのではないでしょうか、私は帰国したときにこの言葉を見て思わず首を振りました。

動物との付き合いは学校などで習って覚えるものではありませんし、付き合いを知らない人間が犬と人との関係をサポートできるとは思えません。
でもそこでターゲットになっているのは飼い主です。
飼い主の考え方が「ペットビジネス」に関わる人間を変えてゆくべきで、その逆では困ります。

メディアや企業に流されない安定した飼い主でいたいです。

>むつきさん
雑種の楽しみはたしかに犬種の型にはまっていないということでしょう。
私の周辺にいる雑種の飼い主は往々にして寛容な人が多いです。
そういえば私も帰国したときに仔犬の折込チラシを見て驚きました。
誰も文句言わないんですか???正直言ってどこか感覚が麻痺していると感じましたよ。
それをあたかも普通のように社会で扱われたんじゃ、本当に社会全体の問題だと思います。
メディア側の責任も大きいのに、その製作者側の意識が低俗では目も当てられません。(それを監視する機関もあるはずなのですけど)
ここでも大事なのはただの視聴者として受身でいるか、それとも視聴者として正しい番組内容を要求するか、一人一人が考え行動することだと思います。

>あがさん
ああ、いえいえ、こちらこそおめでとうございます。(←正月気分がないもので挨拶すらも忘れてしまいそうな私です)
今年もどうぞよろしくお付き合いのほどお願いいたします。

震源地の話題や皮肉までも日本のメディアが真似してくれていたらまだマシなのでしょうけど、ただネタとして下手に現象を助長する(間違った輸入の仕方をしてしまう)のが日本らしいですね。
ほんと、良い点をどんどん真似してくれればいいのに、どこか腰が重いというか...たぶんお金にならないから注目度が低いのでしょう。
やはり経済重視の社会だなと思います。
例えばの話、今の日本のペットの数や奇妙な殺人事件が続出している事を考えれば、大会社各社がそれぞれスポンサーとなって動物シェルターの運営をすることだって、社会的影響を考えればいいイメージアップ戦略になると思うんですよね。
もっと社会全体でモラルアップに繋がるような動きを見せて欲しいと思います。
こういうことってアメリカの企業は上手かったりしますものね。(もちろん根本にある宗教観も関連したこととは思いますが)

>春吉さん
このデザイナードッグブームによって犬の繁殖は一層荒れたなと感じました。
雑種とはいえ、決まった犬種同士から生まれてきたデザイナードッグを欲しがるのならば、それは純血種を希望するのと同じ。
犬種同士を掛け合わせて、かといってこれといって犬種の目指すものなどなく、売れるときに売れる犬を作って売っちまおうという風潮が感じられ、チワワの母Aさんのお話にもありますが、これまで犬種を保存してきた人たちへの冒涜とさえも思えます。

だからといって犬に責任はなし、あくまでもヒトの考え出した金儲けのアイデアというところが一番責めるべきところです。
うっかり管理ミスで生まれた仔犬が高値で売れるのはおかしな話、そんなことをしたらますます管理が甘くなります。
「高値で売れるのになぜ悪いの?」なんて平気で言う人が出てきそうですね。
その先は言うのを止めておきます。(笑)

投稿: 京子アルシャー | 2009/01/11 01:59

数年前に「ミックス犬」という言葉を初めて聞いた時でさえ、私はすこし違和感を感じました。
それが今度は「デザイナードッグ」??
いい加減にしてほしいですね。
私は雑種と純血の価値の違いがわからない人間です。

命の価値としては全く同じだと思ってますが・・・

人間の都合でかけあわされた純血の保存がどれだけ大切かわかりませんが、その結果特定の病気や身体トラブルになりやすいというのは、あまりにも人間のご都合主義かな・・・と。
命は通常、より強くなって受け継ごうとするはずですから。
見た目の保存よりもそういった配慮をしながら犬達が進化していければいいなぁ・・・と思う一人です。

投稿: しかのしま | 2009/10/10 09:11

>しかのしまさん
さて、いまでもこの「デザイナードッグ」と言う呼び名、日本で通用してますでしょうか?
ドイツではもうすっかり聞かなくなりました。
ホッとしています。
犬の繁殖がこの数十年間で犬の本質を置き去りにしたものになってしまったことは先日のイギリスBBC放送などのドキュメンタリーでも取り上げられたことで大問題となり、結果としてイギリスのケンネルクラブがスタンダードの見直し・改正を行ったことはまだ耳に新しいですよね。
これは今の日本の現状にも言えることで、未だに外見重視の繁殖が行われていること、そして外見重視で犬の良し悪しが決められていることがまだまだ普通とされているのです。
そのために日本の犬は断耳・断尾をされ、犬種として備えられているべき能力を失い、高額で売買されています。
意地悪く言えばお金のために犬の本質を見ないことにしているかもしれませんね。
それを見ている方はすでに麻痺しているか、大変不快かでしょう。
どこかで誰かが「それはダメだ」といわなければ、状態は変わらないと思います。
イギリスKCが変わったことで日本JKCも変わらざるを得ないといいますが...日本はそもそもFCI加盟なのでそちらの方に準ずるべきで、まあどっちを向いても変わらざるを得ない状態まで来ています。
それでも変わらなかったら日本に犬を譲ってくれる国が減り、日本の犬の将来はとても暗いものになります。
そのうえ、そんなことすらも考えていない人達が犬の繁殖を手がけているとしたら、もっと悲しいことですね。

投稿: 京子アルシャー | 2009/11/04 23:51






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受信: 2009/06/26 10:57

 
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