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Tengboche - Namche Bazaar

エドモンド・ヒラリー卿のドキュメンタリー制作で、スタッフが宿泊したNamcheの町。
[photo by Tejananda John Wakeman]

身内の話で大変恐縮だが、我がダンナが一年半ほど前にネパールを旅した。現在では故人となってしまわれた、エドモンド・ヒラリー卿のドキュメンタリー番組の制作のためだった。それが先週末になっていまさら?!「そういえばネパールの犬がさ・・・」と話し始めたのだ。

そういう話は真っ先にしなきゃだめでしょ!

Abar the Bear / Tibetan mastiff / male 1,5 years age

[photo by mastino0100]

偶然にも現在、ネパールのお隣の国であるチベットの本を読んでいる。『Spy on the roof of the world (by Sydney Wignall)』  という本で、そこに「マスティフ」がたびたび登場するのである。チベット原産の、現在では歴史上の理由から大変希少となってしまった「チベタン・マスティフ」という犬種だった。その本の記述によると「チベタン・マスティフ」は非常に攻撃性が高く、さながら村のボディ・ガード的存在。昼間は遊牧民のテントなどに繋がれているが、夜になると野生動物や強盗から村を守る目的で解き放たれる。よそ者が夜間に出歩くことは大変リスクを負うことであるらしい。

ネパールの現在の犬事情も大変似ていた。出発前にスタッフに課された予防注射に狂犬病の項目があったし、現地入りしてシェルパの方に最初に注意されたことが、「夜、外に出るな」ということであったらしい。チベットと同じく、昼間は各家庭でつながれている犬たちが、夜になるとガードマンさながら村を保護する目的で解き放たれる。

外見はチベタン・マスティフほどの大きさはないものの、それでも耳がピンと立った、大型の、どこかシェパードに似た犬。なわばり争いのために、夜な夜な喧嘩を繰り広げていたそうだ。村の人々は慣れている様子だが、犬の吠え声が一晩中続くために撮影スタッフ一同、かなりの睡眠不足と戦わなくてはならない羽目になったそう。

現地入りをした最初の夜、宿泊先の民家の屋根で犬同士の喧嘩がはじまってしまい、簡易な作りに見えたその屋根を突き破って2頭の犬が落ちてこないか心底おびえて過ごしたらしい。実際にその家のお風呂場の屋根にはぽっかりと空いた穴があり、雨降りの日は自然のシャワーとなるそう。旦那の恐怖、わからんでもない。

現地の人なら大丈夫かというと、それがとんでもない。この土地で生まれ育ったシェルパやポーターを生業とする人たちも、「夜は出歩かない」そうだ。野生動物(スノー・レパード)への畏怖もそうだが、昼間は温厚な犬たちも夜になって仕事モードにはいるためか危険性が増すため。犬と共存していくためのルールともいえる。

Sherpa  -Nepal

[photo by koro_ko2ro]

そんな土地で3週間を過ごした我が旦那を含めたスタッフ一同。印象的、かつ疑問だったのが「チベットもそうだけど、こんなに温厚な人々が攻撃性の高い犬と暮らしてることにすごく違和感を感じた」らしい。想像するに、そこにはきっと、旅行者の目には入らない山岳地帯での生活の厳しさがあるのだろう。人間から食料を与えられることの引き換えに、人間たちの安全を守る。ここでもまた、犬は人間の大切なパートナーなんだということが垣間見える。

もともと旅をしたり、旅本を読むのが大好きな私。これからは視点を犬に向けて、色んな国の犬事情について情報を集めてみたい。その国のまた新たな魅力が見えてくるに違いない。

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