トップ >  世界の犬事情 > スロバキア原産犬紀行 (1) - スロバキアン・ラフヘアー・ポインターに出会う

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草むらからカモを回収してきた!スロバキアのガンドッグ、スロバキアン・ラフヘアー・ポインターの回収技!

首都ブラチスラバの喧騒から車で30分も飛ばせば、そこにはゲーム(獲物)に溢れただだっ広い畑地と林が広がる。誰もがうらやむ猟野。畑地を区切る茂みを行けば、犬たちはすでにポインティングの姿勢を取り始める。藪に無頓着に入ってゆけば、赤いオスキジが4, 5羽とバタバタと飛び立ってゆく。イギリスのようにゲームは「養殖」したものではなくすべて天然。そして畑地の真ん中をゆけば、その前を野うさぎがもうこれ以上近づけられたら危ない、と突然走り出す。

案内してくれたのは、ミカエル・ウルバンさんだ。彼はスロバキアを代表するガンドッグ、スロバキアン・ラフヘアー・ポインターの愛好家であり、ブリーダー。今年はワールドドッグショーという世界一大きなドッグショーがスロバキアで行われるということで、彼は昨年から犬種のプロモーションにも熱心である。

趣味である猟に、今回2頭ほど連れてきてくれた。メタリックなシルバーグレーが特徴。そう、ワイマラナーにそっくりのとても美しい犬だ。ただしコートはワ イヤードヘアー。歴史はそんなに古くない。スロバキアの猟状況にあった犬ということで、戦後、ガンドッグとしてもっともすぐれた犬種を混合させる試みがなされた。ベースになった犬はワイマラナー。それに、ジャーマン・ポインター、そしてチェコ原産のガンドッグ、チェスキー・フォーセックの3種が掛け合わされた。

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性格は、おだやかでフレンドリー。訓練性能も高い。

猟犬種が犬種の中でもっとも多数を占めるのは、このようにその土地土地に合った、また獲物や猟の種類にマッチした犬が作られるからだ。

「この犬種は、スロバキアの藪の多い猟地に適しているんだ。獲物を探す範囲もそんなに広くない。イギリスのポインターやセターとは異なるんだよ。彼らみたいに駆け足で猟野をカバーすると、うっかり獲物のにおいを逃してしまうからね」

空気中のにおいをとるのがその専門ということだが、地面のにおいを取る技にも十分長けているそうである。

獲物を探すことだけではない、回収技もすばらしいんだ、とカモを一羽撃ってそのお手並みも披露してくれた。撃たれたカモは身を隠すために一度水の中に潜った。ミカエルさんは、ちょうどレトリーバーの遠隔操作のときのように、左に右に犬を操り、このあたりにカモが身を隠しただろうというところまで、犬を導い た。彼らの鼻にかかれば、逃れることはできない。カモはなんと岸からすぐ上がったところの草むらにいた。それをひょいとつかんで、そして対岸にいるミカエルさんのところまで泳ぎ、静かに座った。よしという許可の合図が出るまでカモを口から放さなかった。これはミカエルさんの丁寧な訓練の成果でもある。

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獲物のにおいをとって、ポインティングしているシーン。実際、猟にでも行かない限りお目にかかれない犬の姿だ。

現在その数はおよそ300頭。決して数多い犬種ではない。しかし、それだけにブリーディングがしっかり管理された状態で行われている。犬種ができあがって からもう60年以上たつが、その性能は当時からまったく変わっていないという。多くの作業犬種がショーブリーディングのためにその才能を失いつつある中 で、このようなケースは珍しいのだ。

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