若い狼犬の牝に挨拶行動を取るマイロ。人間から見たら似ても似つかない2匹だが、行動がよく似ているせいか、大の仲良しだった。
群れで暮らすイヌの祖先であるオオカミが持っている攻撃抑制を、ジャックラッセルテリアのマイロに身につけさせる事ができれば、手に負えないほど気性の荒い子犬でも、むやみに人間の手足を咬むのをやめさせ、他の犬たちと仲良く過ごせる犬に育てられるのではないか?これがマイロと言うものすごい咬み癖のあったジャックラッセルテリアを飼って、初期のしつけに行き詰まった僕が考えた事でした。
マイロが初めてこの狼犬に会ってやったこと、それは相手ののど笛に咬み着いてぶら下がると言う乱暴な行為だった。狼犬の牝は飼い主さんに良くしつけられ、きちんと社会化された犬だったので、マイロの振る舞いをお転婆な子犬がやる事としてすぐ受け入れてくれた。
進化の過程で、強すぎる攻撃能力を身につけた肉食獣は、儀礼的な順位闘争と攻撃抑制を平行して進化させないと、群れで暮らす事が困難になってしまいます。犬科の肉食獣は進化の早い時期に社会性を獲得したため、群れで暮らす種が多いですが、他の肉食獣に単独生活者が多いのはこのためと言われます。
マイロの場合は、繁殖犬舎からペットの量販店に至る流通経路を通る間、そして店頭で展示販売されている間、ずっとひとりで過ごして来たことが、元々攻撃性の高いジャックラッセルテリアの子犬から、初期の社会化の機会さえ奪い、マイロ自身でも咬む力を抑制できなくなったとものと思われました。さらにマイロの行動を毎日何時間も一緒に遊びながら観察した結果、マイロは兄弟姉妹の中で次世代のリーダーになりうる性質、つまりアルファ気質を持っている様にも思えてきました。
狼犬の口元を良く見ると、マイロが咬み着いて犬歯で開けた穴が見える。良くこんな乱暴な子犬の相手を毎晩の様に努めてくれたものだとこの狼犬の度量の深さに関心してしまう。
マイロの問題行動を群れで暮らすオオカミを観察した目で見直すと、オオカミの行動と重なる振る舞いがたくさん見つかりました。たとえば餌を与え、毎日長時間一緒に遊んでいる僕に対してさえ、マイロはいきなり唸りながら突進してきて、思いっきり咬み着き、さらに咬み着いた相手を仕留めるかの様に、猛然と首を振って咬みちぎろうとする仕草を見せるのです。これは明らかに挑戦と思われました。マイロの小型犬の子犬とは思えないほど荒々しい振る舞いは、家庭犬として見たら受け入れ難いものでした。しかしその行動の多くは、オオカミの群れの中の順位闘争と狩猟行動の萌芽そのものに思えたのです。
僕は社会化不足とアルファ気質の相乗作用で、ものすごい咬み癖を持ってしまったマイロの対策を考え始めました。まず、失われた初期の社会化の埋め合わせになる経験をマイロに積ませなければなりません。幸いマイロはまだ幼かったので、生後4ヶ月以前の社会化期のうちに、大人犬たちから咬まれたり押さえつけられたりして、乱暴な振る舞いを叱られる経験を積めば、相手を容赦なく咬む悪い癖も矯正できるのではないかと考えました。しかし人間である僕が、幼い子犬だったマイロにそれを教えるのは困難と思われました。なぜならマイロは僕が知っている子犬の叱り方や、訓練の補助動作を全く受け入れない子犬だったからです。
追いかけっこを楽しむマイロと狼犬、2匹は大きさも姿形もかけ離れているが、その振る舞いの根本的な部分は良く似ていた。他の犬たちが遠巻きに見ている中で、激しい2匹の遊びが毎晩の様に繰り返され、やがてマイロも犬としての礼儀を身につけていった。
最初にやったのは、まだ生後2ヶ月すぎだったマイロを、毎晩大型犬がたくさん集まる場所に連れて行き、マイロが少々咬み着いたくらいではびくともしない若い大型犬に遊んでもらうことでした。僕の予想通り、マイロは初めて会った大型犬たちを全く恐れず、いきなり飛びかかってじゃれつき、あまつさえ咬み着きさえしました。でもきちんと社会化され、攻撃抑制を身につけた大型犬たちは、子犬だとわかれば、マイロが乳歯で思いっきり咬み着いても、本気で反撃したりはしませんでした。
ある若い狼犬の牝は、他に遊んでくれる犬がいないことから、毎晩マイロと追いかけっこや取っ組み合い遊びを楽しむようになり、マイロがやり過ぎれば、素早く飛び越えながら蹴りをいれたり、抑制された咬みで、マイロを押さえ込んだりするのがとても上手でした。マイロ自身も、強く咬み着けば、地面にたたきつけられたり、咬み返されたりすると言う過激なしつけを繰り返し受けることで、生後4ヶ月すぎには、なんとか抑制された咬み=甘咬みが出来る様になっていきました。
拾ったポテチの袋を狼犬に見せて、ひっぱりっこに誘うマイロ。狼犬は袋の内側の光り物を嫌い、このときはマイロから逃げてしまった。人工的なものを怖がらないマイロと、それを嫌う狼犬と言うのが、2匹の行動で唯一違って見える点だった。
しかし凶暴なジャックラッセルテリアの子犬も、良くできた姉の様に優しい狼犬の事も知らない他の飼い主さんが、たまたま2匹の取っ組み合いを見てしまうと
「あれ!止めなくていいの?!」
と、毎回の様に悲鳴混じりに言われるのには閉口しました。
狼犬は痩せているとはいえ、体重20数キロ、肩高60cmを越えていました。しかも戻し交配を繰り返した系統のため、狼率は9割を超え、見た目は狼と変わり無かったのです。あまりに狼っぽい外観に育ったためか、彼女が成犬になってからは、周囲の犬たちが恐れるようになり、マイロが現れるまで、だれも彼女のそばに寄ろうとする犬はいませんでした。そのためか、狼犬も自分と同じような感覚で取っ組み合い遊びを仕掛けてくるマイロと遊ぶのを楽しみに、毎晩根気よくつきあってくれる様になりました。

2時間くらい2匹で遊びまわり、そろそろ帰ろうとリードをつけても、マイロはまだ遊び足りない様で狼犬に飛び付いて誘いかけている。こういう時狼犬は顔を背けマイロを無視する事で遊びの終わりを教えている様だった。
一方マイロは、その当時、体重3kgの白いカワイイ子犬に過ぎませんでした。彼女も酷く咬み着いても逃げ出したりせず、毎晩楽しく遊んでくれる優しい狼犬が大好きでした。同じように若いラブラドールリトリーバーやスタンダードブルドッグ、ボクサーなども、マイロとの際限のない取っ組み合い遊びに根気よくつきあってくれました。
この様に社会性豊かな大型犬たちに社会化期の後期にあたるしつけを手伝ってもらえたおかげで、マイロは幼少期に失った社会化の機会を何とか取り戻すことができました。この経験から、次の様な事が言えると思います。

仲良く同じ水道から水を飲むマイロと狼犬。狼犬の左脚の付け根にもマイロが咬み着いて付けた傷跡が見える。一方マイロは激しい取っ組み合い遊びにもかかわらず、傷一つ負っていない。これはこの狼犬が高度な攻撃抑制を身につけた、実の姉の様に優しい犬だったからできた事だと思う。
ジャックラッセルテリアの子犬を飼って、手に負えない様な咬み癖や乱暴な振る舞いをする子犬に当たってしまったら、人間が行う訓練やしつけは後回しにして、犬相手の社会化から始めるべきだと思います。そのためにはリスクがあってもワクチン接種を早めたりして、一日も早くお散歩に出せるようにすべきです。
具体的には、社会性を身につけた大型犬の飼い主さんにお願いして、取っ組み合いを含む、直接の触れあいを子犬にたくさん経験させる必要があります。そうした直接的な触れあいを通じて、犬の流儀でしつけてもらい、子犬自身に犬という動物は全て自分の仲間であり、むやみに攻撃してはいけない相手だと学習させるのです。この社会化さえ成功すれば、マイロの様なとんでもない問題児でも、その後のしつけや訓練は容易になると思います。
次回からは、なんとか社会化が間に合ったマイロを、僕自身試行錯誤しながら、どんな風に訓練していったかについて書いてみたいと思います。
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はじめまして。
前回からとても興味深く読ませていただいています。
犬同士のかかわり合いの中で育まれる社会性は、本当に重要だと感じています。
マイロくんと狼犬のお姉さんとの取っ組み合い遊びは想像以上に激しかったんだろうなぁと思いますが(口元に穴があいているのにはビックリしました)、かくいう我が家の愛犬(コーギー♀3才)も、マイロくんほどではないにしろ、子犬の頃は大型犬にこねくり回されたりもしてましたし(笑)、仲の良いワンちゃんとは未だに激しく遊んでいます。きっと知らない人が見たらびっくりしているかもしれませんが、今まで怪我をしたこともさせたこともありません。
我が家の犬の場合は、ブリーダーさんから2ヶ月半くらいで入手し、お散歩に出せるようになってからは大小さまざまな犬と遊ばせるようにしていました。幸い近所のワンちゃん達とその飼い主さんはよくわかっていらっしゃる方が多いので、ほんとうに感謝しています。でも、中には「怪我をさせたら悪いから」とほんのちょっと挨拶させる程度で終了してしまうこともあって、残念だなぁと感じたりもしました。。。最近は逆に、子犬の飼い主さんが遊ぼうとする子犬を制されることもあるので、家の犬が拒絶していない場合は、遊ばせてあげてください、とお伝えしたりしています。
ですが、こんな我が家の犬でも、少しずつ苦手な犬は出て来ていて、どんな犬とでも平気というわけではないのですけれど。
相手の犬に怪我をさせてしまうのはできれば避けたいことだとは思いますが、どうしても人間には教えきれない部分はありますので、社会性を持った犬&犬の事を理解している飼い主さんが増えて、犬同士で学び合える機会がもう少し増えてほしいなと思います。
続きも楽しみにしています。
投稿: そらぬし | 2009/04/09 22:31
その行動は若い犬が異性同性を問わず自分より大きい特定の犬に示す親愛の表現だとおもいます。小さい犬の口が大きい犬の口まで届けば口元を舐めてよだれを舐め取ろうとします。べつにめずらしいことじゃあありません。マイロちゃんはただ相手と体格が違いすぎて普通に出来なかっただけでしょう。
投稿: サント | 2009/04/10 10:01
そらぬしさん、コメントありがとうございます。
ご指摘の様に、犬は元々社会性のある肉食動物ですから、子犬時代に、将来一緒に暮らす犬も人も猫も時には小鳥なども「自分の仲間であり本気で攻撃してはいけない」と言う事を学ばせる必要があると思います。最低でも飼い犬は、犬と人間の社会の両方にキチンと社会化させないと、将来不幸な暮らしを強いる事になると思うからです。犬なのに他の犬を怖がったり、他の犬と仲良く出来ないなんて不幸なことですから。
子犬の対人関係の社会化は人間に飼われている以上、家族や友人、知人との触れあいで始めやすいのですが、対犬の社会化は、飼い主がその機会を意識的に作ってあげないと、不十分なまま臨界期(もっとも社会化されやすい3ヶ月~4ヶ月以前)を過ぎて恐怖期に入ってしまい、その結果、犬なのに犬が怖い、だから攻撃的に振る舞う、時には本気で咬み着いてしまう、そういう危ない犬になりやすいと思います。
マイロの場合は、あまりに親元から離されるのが早かった事、おそらくアルファ気質を持った犬だった事、キツネ狩りの猟犬だと言う事、と3つの条件が重なったため、本気で相手を咬む癖は、飼い主である僕がどうこう出来る状態では有りませんでした。もちろん同じくらいの小型犬と遊ばせたら、大怪我をさせてしまう危険性もありました。
そういう意味では、たまたま2歳前で、まだ子犬と遊んでくれる柔軟性を残した若いオオカミ犬と言う、ジャックラッセルテリア以上にタフで優しい犬?が身近にいたのは幸運だったと思います。
以前父がオオカミ犬を飼っていたので、彼らの社会性の高さはなんとなく分かっていたつもりでしたが、実際にマイロが本気で咬み着いても、絶対に本気でやり返さない彼女の徹底した社会的攻撃抑制には感心しました。もし相手が気性の荒い大型犬だったら、こんな風に安心してマイロのしつけを任せる事は出来なかったと思います。そして、マイロに怪我をさせられても「家の子も喜んでいるから」と、毎晩遊ばせてくれたオオカミ犬の飼い主さんには本当に感謝しています。
そらぬしさんがおっしゃる様に、犬対犬のつきあい方は、どうがんばっても人間である飼い主が教える事は出来ません。そういう意味では、犬の社会性の重要さを、もっとたくさんの犬の飼い主さんが理解して、特に子犬時代は出来るだけ多く対犬の直接的な触れあいの機会を持たせて欲しいと切に願うしだいです。
僕は子犬は犬と人間にちゃんと社会化さえ出来れば、犬のしつけは半分くらい出来た様なものだと考えているからです。
そして、人間が行う訓練は成犬になってもなんとかなりますが、子犬の社会化は生後4ヶ月以前が臨界期と言う最後の機会なのです。
投稿: 史嶋 桂 | 2009/04/10 10:09
サントさん、コメントありがとうございます。
子犬が自分より大きな犬や人の口元に飛びつく行動の原型はおっしゃる通り親愛の表現だと思います。
僕もマイロの行為が大人犬の口元も舐めたり、甘咬みしたりするために飛びつく程度なら、問題とは考えなかったのですが、マイロの場合問題だったのは、相手に飛びついてから、本気で咬んでしまう事と、口元だけでなく、人間の手足、オオカミ犬ではのどの下のたるんだ部分や後ろ脚に咬み着いて、まるで咬みちぎろうとするように頭を振り回す行為が見られる事でした。
犬は人間の手を、犬の口元と同等と見なして、舐めたり鼻面をすり寄せたりして挨拶行動を見せますが、ざっくりと出血するまで深く咬み着いて、さらに咬みちぎろうとするように、激しく頭を振り回すのは、やはり異常な行動だと思います。
これはマイロの行動を観察した事と周辺情報からの推測ですが、マイロの行為が、大人犬に甘える子犬本来の行動からゆがんでしまったのは、親元から離すのが早すぎた事(マイロは家内が見つけた時点で生後1.5ヶ月未満でした)と、その後犬の量販店によって単独飼育された事で、母犬や兄弟姉妹、他の犬との触れあいで学ぶべき、咬みの抑制などを学習する機会がなかったため、元々キツネ狩り猟犬として持っていた強い攻撃性を制御出来なくなったからだと感じました。
咬み着いた相手を激しく振り回すのは、後にマイロがクマネズミをを仕留めた時にも繰り返し見られた振る舞いですので、この犬種の狩猟行動の萌芽の様にも思えます。
ご指摘を受けて考えてみると、マイロの当時の行動は、大人犬への親愛の情を示す行動と、狩猟行動の区別が出来ていない状態だった様にも思えます。
その制御と区別を教えてくれたのが、マイロの相手をしてくれたオオカミ犬たちだったと言う事になると思います。
投稿: 史嶋 桂 | 2009/04/10 10:58
狼の群れで時折起きる事件(事故?)で、若い狼が群れの子狼と遊んでいるうちに殺してしまい、ボロ雑巾のようにしてしまうというケースです。
これは決して珍しいことではありません。
その牝狼犬は、そのような性格であったということが前提であり、狼犬=社会化特性が強いので安心というのは短絡的にも感じます。
このケースから学べることは多いと思いますが、少々擬人的に扱われているような気がします。
投稿: 狼犬 | 2009/04/10 15:26
こんばんは。
いつも記事を拝見しております。
マイロちゃんは良い経験をしたようですね。
私は大型の犬を都市部で飼育しており、街中(の公園)を散歩していると、幾度となく小型犬に吠えかかられた経験があります。子犬ならまだしも、成犬に。
笑いながら見ている飼い主さんは決まって「うちの子、大きなわんちゃんが好きなの」と言われます。
また「α気質で、優位に立とうとしてるのよ」と解説されることもありました。
相手がフリーの場合は引き綱のめいっぱい、の少し外で、歯茎までむき出して吠えたてられることもしばしば。もっとひやひやするのは、綱の内側に入ってきて威嚇するときです。
その犬や飼い主さんと知り合いで、信頼関係があれば問題ありませんが、実際は初対面のことが多くて正直閉口します。
私の犬が実際他の人や犬に怪我を負わせたことは一度たりとてありません。
しかし、非常に、怖い。
極端に反応しすぎているのかもしれません。
が、物事に絶対はありませんし、事故が起こったら大型犬は殺処分の対象になりやすいから慎重にならざるをえません。
対犬でも、もし、うちの犬飛び跳ねて相手の上に着地してしまったら?前脚ではたいてしまったら?相手がショック死したら?
考えるだに恐ろしいです。
遊びの最中の出来事としても考えられることです。
相手との体格差というものは、小型犬自身からはあまり意識に上らないようにも見受けられます。しかし現実問題として彼らは華奢な体のつくりに育種選択されてきたので、どうしても不利です。
大型犬にも、α気質と言われる犬は、います(存在が世間に許容されるか、といえばNoでしょうが)。
また年齢を経るに従って、好き嫌いがはっきりすることもあります。
気の合わない相手とは、遊びたがらないようです。
もし万が一、けんかに発展してしまったら、最初の数分は人間は手出し無用という鉄則があるとききます(人が咬まれたら、それこそ保健所行きの危険があるため)。
こんなとき、体格差は致命的です。
ドッグランが体重差で分けられるのも致し方ない面があると私は思います。
加害者にも被害者にもなりたくないのです。
大型犬を飼っている飼い主は、折角ドッグランに来ても、小型犬の存在を念頭に置き、自らの犬を制せざるをえない場合があるのです。
これらの事情をわかっていただきたく、投稿いたしました。
御不快な面があれば申し訳ありません。
投稿: rio | 2009/04/10 17:32
狼犬さん、rioさん、コメントありがとうございます。
ご指摘の様に今回の記事について、説明不足な点がありましたことをお詫びします。少し補足いたしますと、マイロのケースで相手になってくれたオオカミ犬とその飼い主さんとは、以前からの知り合いで、マイロと遊んでもらうに当たって、事前に許可をいただいたのは言うまでもありません。
このオオカミ犬は、柴犬保存会の柴犬と一緒に暮らしており、彼女自身、子犬時代にアメリカ産の大柄なジャックラッセルテリアを含む他の犬たちと取っ組み合い遊びをして育った経験が豊富にあります。僕が紀州犬を飼っていた頃には、まだ柴犬くらいの大きさで、良く一緒に遊ばせたりもしました。ですから社会化の点、攻撃抑制がしっかりした犬である事は確認済みの上でマイロの教育係をお願いした事になります。
僕自身もジャックラッセルテリアを飼う以前は、ラブラドールリトリーバー・紀州犬・オオカミ犬・ドーベルマン・ボクサー・ドイツシェパードなど、大型犬から中型犬ばかり7匹飼って来ました。幸い僕が飼った犬たちは、米軍の軍属が日本に置き去りにした犬たちも、子犬を引き取って飼った例でも、社会性と攻撃抑制に問題のある犬は見られませんでしたが、小型犬が飛びついて来ても、大人しくされるがままになる様に訓練して飼う様にして来ました。
ちなみにマイロたちが普段集まる広場は、昔から近所の犬たちが散歩で集まる場所で、犬の飼い主さんたちがボランティアで清掃をしたり、新しく犬を飼い始めた人がいると、相互に犬のしつけや遊び相手を買って出たりして、昔から飼い主さん同士で、社会化や服従訓練を行って来た場所です。僕自身は里親さんに渡す前の捨て犬たちの訓練をずっとここでやってきました。
そういう地域性のある犬と飼い主さんのコミュニティが近隣にあった事も、マイロの様な問題児の犬を飼う上で、とても助かった点だったと思います。世代を超えて、相互に繰り返し犬の社会化ができたのも、古い住宅街で、犬を何世代も飼い続けて来た飼い主さんたちがたくさんいたおかげだと思います。
投稿: 史嶋 桂 | 2009/04/10 22:55
たびたび失礼いたします。
史嶋さま、お返事ありがとうございました。もう少し感じたことを書かせてください。
犬同士を遊ばせる際に大切なのは、お互いが犬同士のコミュニケーション方法をよく会得していて、力加減や遊び方もちゃんと心得ていることがひとつと、もうひとつ、そのことを飼い主の側がよく理解していて、なおかつ、万が一、遊びがヒートアップしてしまっても早めに静止できることだと思います。それから、飼い主さん同士の信頼関係も必要でしょう。
ですから、そこまでマイロくんの相手ができたのは、その狼犬のお姉さんだけだったんだと思いますし、そして、そのお姉さんとそうやって遊べたのもマイロくんだけだったと。
もし私が大型犬を飼っていたとしたら、rioさんのおっしゃるように小型犬と体を張って遊ばせるのは抵抗を感じるかもしれません。いくら上手に遊ぶ犬だったとしても、下敷きになってしまったら大変ですから。実際、我が家の犬とその友達がプロレスをしているところへヨークシャテリアが近付いてくることがあるのですが、さすがにドキドキしますので、呼び戻しをしたりして中断しつつ、距離をとって再開させたりしています。また、大型犬にこねくり回されていた時も、お互いに興奮しすぎる前に別れるようにしていました。
ただ、体の大小に関わらず、あまりに早く親兄弟と別れ、社会化が極度に不足した結果、犬同士のコミュニケーション方法をほとんど知らない犬が多いため、犬同士で学習できる機会が奪われてしまうのはとても残念だと思うのです。
取っ組み合って遊ぶまでいかなくても、他の犬への挨拶行動が正しくできて、その挨拶行動を正しく受けてあげられるような素地さえあれば(これは親兄弟とともに学んでいくことなんですよね)、トラブルもおこりにくくなるだろうなと思っています。
投稿: そらぬし | 2009/04/10 23:53
そらぬしさん、コメントありがとうございます。
ご指摘の様に、体格が極端に違う犬同士を遊ばせるのは、それなりにリスクがあることだと思います。ただジャックラッセルテリアに限っては、身体は小さいものの、全身筋肉のかたまりの様な犬が多く、体格差を気にせずにたいていの大型犬と遊ばせる事ができる犬だとも思います。
逆にきちんと社会化できず、攻撃抑制を学ぶ事ができなかったジャックラッセルテリアを、無条件に他の犬と遊ばせるのは危険だと思います。この犬種は、身体が小さいため「危険な犬種」と見なされてはいませんが、危険な犬種と見なされる事もある紀州犬の様な獣猟犬や闘犬の様な気性の激しさを持っているからです。僕は両方飼った経験がありますが、飼い主に忠実で制御しやすい分、ジャックラッセルテリアより紀州犬の方が扱いやすいとすら思います。
そして、一番大切なのは、そらぬしさんが後半で述べられているように「兄弟間の仔犬同士の直接の触れ合いの機会がないほど早く親元から子犬を引き離して売る行為」をヤメさせる事だと思います。
幼時の兄弟間の取っ組み合い遊びを経験しながら育った子犬は、生後3ヶ月まで親元で兄弟と暮らしたのちに、新しい飼い主さんのもとに行っても、すぐに地元の犬の友達を作り、犬社会に溶け込む事ができます。しかし、マイロの様に、あまりに早く親元から離されて単独飼育され、凶暴な性格が出てしまった仔犬は、今回ご説明した様に、危険も伴う社会化のやり直しをしてからでないと、他の犬と安心して遊ばせる事さえできない事があるからです。
投稿: 史嶋 桂 | 2009/04/11 20:44
初めまして。
社会化に特化したトレーニング、パピーのトレーニングに
力を入れています、
ドッグトレーナーのチャーリーママと申します。
とても興味深く拝見させていただいています。
犬には体格に関係しない、「教育係としての素質」がある個体がいます。
誰でもが持っているものではないと、パピーたちを見ていて感じます。
ですので・・・一般に飼育されている犬、一般の飼い主さんが
噛みつきの抑制のお相手をするというのは難しいですし
それを求めるべきではないし、史嶋さんの言わんとするところではないと感じます。
不幸な犬の繁殖、流通の過程で、母犬に教育されず、兄弟とも遊ばずに抑制されずに家庭に迎えられる犬たち・・・
噛みつきはかなり深刻な問題行動で、困っている飼い主さんは多く、
そんなことを考えると
>人間が行う訓練やしつけは後回しにして、犬相手の社会化から始めるべきだと思います。
という考えに賛同いたします。
投稿: チャーリーママ | 2009/04/19 14:17
チャーリーママさん、コメントありがとうございます。
社会化に特化したドッグトレーニングは、現状の犬の量販店での子犬の個別飼育と販売が無くならない限り、非常に重要な課題だと思います。犬は社会性動物であり、犬種によっては子犬の社会化を生後4ヶ月前後までに完了しないと、その後では手遅れになる可能性すらあるからです。
僕自身も以前ゴログと言うサイトで、この犬種の訓練について書いていた時は、質問者のお家の近所に「教育係」になれる犬が見つからない場合、子犬の社会化の相手をしてくれる犬がいるトレーニングスクルールを探して通う事をお勧めしていました。
僕の家は古い住宅街で、昔から犬を飼っているお宅が多い場所に住んでいるので、マイロの様などうしようも無い子犬でも「優しい狼犬」と言う得難い「教育係」を見つける事ができましたが、正直性格のきついジャックラッセルテリアの相手を出来るほど情緒が安定してしっかりした犬は、犬の飼育数が少ない地域ではなかなか見つからないと思います。
飼い主では容易に矯正できない咬み癖が、ジャックラッセルテリアと言う犬を「動物愛護センターに持ち込まれ易い犬」にしているのも事実です。僕もチャーリーママさんの様に犬の社会化を重要視するドッグトレーナーの方がもっと増えると良いなと思います。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
投稿: 史嶋 桂 | 2009/04/19 18:57
こんばんは。
ご返答いただき有難うございます。
前回のコメントで神経質にすぎる意見を申し上げた理由は、実際に我が家の犬たちが遊んでいる最中に事故が起こったからでした。
体重差が大きい2頭で遊んでいる最中、大きいほうがたまたま飛び跳ねた時、下に小さいのが駆け込んでしまいました。
着地点から「ギャンッ!!」という絶叫が響きました。
すぐさま頻呼吸をしている熱っぽい小さな体を抱きかかえ、夜間の動物病院に駆け込みました。
幸い後遺症もなく、ぴんぴんして戻ってきたのですが、ほんとうに肝が冷えました。
あんな思いはもう2度としたくありませんし、他の方々にもしていただきたくありません。
気心知れた犬同士ですら、何かのはずみで事故が起こりうるので、あまり知らない犬だと更に気を配らないといけないと思っています。
現実問題として我が家の犬のなかには、小さい犬に出会うと横たわって友好の挨拶をしようとさえする個体もいます。が、油断は禁物、ということをあれ以来肝に銘じています。
最後に話は変わりますが、ジャックといえど最近は華奢な個体を見かけるようになってきました。コレは日本人好みに改良?されたのかどうなのか?気になるところです。
投稿: rio | 2009/04/19 21:28
rioさん、再びのコメントありがとうございます。
実際に事故を経験されていると言うことですので、ご心配いただいたのは無理からぬ事と存じます。
大きさの異なる犬同士の直接的な遊びでは、仮に社会性のある大型犬でも不測の事故が起こりうると言う事は僕も重々承知しております。
ただジャックラッセルテリアの場合、そうしたリスクがあっても大型犬に相手をしてもらう必要がある個体が存在するのも事実だと思います。
たとえばマイロの様に、著しい咬み癖があった犬の相手を、同等のサイズの犬にお願いしたら、こちらが加害者になってしまう可能性がありました。そもそも彼女の様な乱暴者の相手をしてくれる情緒の安定した小型犬は滅多な事では見つかりません。そういう意味では、マイロの様に幼時の社会化の機会を失ったジャックラッセルテリアの子犬=犬の量販店の様に極幼いうちに親元から引き離され、ずっと単独飼育をされて来た社会化の出来ていない子犬の場合は、飼い主がリスクを承知で、社会性豊かな大型犬と遊ばせる必要もあると思います。もちろん、事故の無いように、飼い主の制御下で遊ばせる事は必須だと思います。
ちなみに、
>ジャックといえど最近は華奢な個体を見かけるようになってきました。コレは日本人好みに改良?されたのかどうなのか?気になるところです。
そういうブリードが行われているかどうかの情報は僕も掴んでおりません。マイロは小さくマズルも短いタイプですが、繁殖元に確認したところ「マズルを短くするためピットブルの血を入れている」と言うとんでもない話を聞きました。道理で咬む力が異様に強かった訳です。そんな風に性格ではなく外観の改良が「家庭犬向けの改良」として行われているなら困った話です。
家の回りには、オーストラリア産の小柄なコは増えていますが、今のところ一般的な愛玩犬の様に華奢な個体は目にした事がありません。直近のANKC産ジャックラッセルテリアは、コーギーとのアウトラインブリードのせいで、顔にコーギーに似たマスクがあり、短足のコが多いですが、肩高25cm程度で体重6kg以上のコが多く、しかも贅肉のない筋骨隆々タイプばかりです。反対に数は少ないですが、パーソンラッセルテリアの方は、フォックステリア似のすらっとしたスクエアなコが多い様です。
まずいなと感じたのは、今まで会ったジャックラッセルテリアの大半が、マイロのように「カワイイ」と犬の量販店から買われて来た社会性皆無に近い子犬たちだった事です。
僕はそういうジャックラッセルテリアの子犬に引きずられる様に散歩している飼い主さんにお会いする毎に、マイロやジャンとガウガウ遊んでもらい、社会化と訓練の必要性を説明する様にしています。マイロやジャンの様に同じジャックラッセルテリアで社会性を身につけた犬がもっと増えてくれれば、rioさんの様なご心配も減らせるとは思いますが、近年のこの犬種の増加を見ていると前途多難な気もします。
投稿: 史嶋 桂 | 2009/04/20 11:24
初めまして。 家庭犬としての紀州飼いです。
この度はチャーリーママさんに記事を教えて頂き、コメントも含めて興味深く拝見させて頂きました。
史嶋さんの生い立ち(経験)から察しても、マイロは相当な強者であることが伝わって和手きました。
ジャック・ラッセルはハイパーですからね、僕はこの犬種を別名「豆タンク」と呼んでいます。 文字通り、小さな戦車の意味です。(笑)
通常、狼犬は「犬にあらず」という気質の持ち主なので、飼い方としても犬と違った接し方が必要ですし、狼犬の対犬性というものを考えた場合、おそらく一般的な狼犬と他所の成犬では折り合いが悪いと思います。(性別、年齢、性格にもよりますが。)
そんな意味では、この狼犬がメスであることと、かつ育成環境に恵まれていたこと、そしてマイロがまだ若い犬であることがこのような特例(小型犬と狼犬の関係)を生み出したように感じます。
それに加えて、史嶋さんと狼犬の飼い主さんの犬を観るスキルがあってこそだと思います。
「社会化」これは家庭犬を育てる上で重要なテーマですよね。
今日は出先で甲斐犬を連れた方を見つけ、僕は車を止めて話しかけました。 残念ながら甲斐犬(6歳・メス)は社会化が全くされておらず、犬も人もダメであるとのこと。
一見すると甲斐犬は澄ましていましたが、1m以内に一歩接近すると、前触れもなく突然咬みついてこようとしました。
「紀州犬もキツクないですか?」という質問から、「うちの紀州犬は社会化適期(生後約2~3ヶ月)から馴らしているからキツクないですよ。」と、お決まりの話をしました。
するとこの甲斐犬の飼い主もまた、誤った情報による被害者であることが判りました。 1つは獣医お決まりの言付けです。 生後3ヶ月以降の最終ワクチンが終わるまでは外出禁止令。
ここでつまづく飼い主は多いですよね。 また始末の悪いことに、どんなに社会化の重要性を教えて理解させたつもりでも、犬飼い初心者は獣医という「権威ある言葉の縛り」から身を引くことができません。
そして社会化の重要性を知ったときは何倍もの時間と労力を費やす羽目になります。
また一頭飼いの犬が「犬の社会化」を行うには、飼い主双方の理解と知識が必要です。 たとえ出会い頭で吠えても、飼い主が緊張せずに犬同士の時間を与えることで状況は次第に変化します。
今日、出会った甲斐犬も、そんな話を進めて10分もした頃には、私に対する警戒を解き、1m以内への進入を許してくれました。 そして20分過ぎには僕に背中を向けて「ヤスメ」のポーズまで見せてくれました。
時間を与えることで犬は相手を知り、そして場に馴れるものです。
仰るように、犬同士の社会化を早期から継続して行なえば、問題行動など皆無に等しく、犬をゆがめる「巷のしつけ」など必要なくなると思います。
特に「犬が人を支配するアルファ説」を唱える訓練士や本の存在が、犬の社会化の弊害でもあります。
それと最後に・・・
>捨てられた犬を助ける事も大切だが、犬が捨てられないためには
>どうしたら良いか、いつもそればかり考えている。
これには共感します。
僕の理念は「不幸な犬を救うよりも、不幸な犬を出さないことが大事」です。
まずは目の前の犬に責任を持つ。 そして身近に犬のことを知らない人がいたら、良い関係を築くヒントを教えるようにしています。
その一言が、飼い主と犬を救うことがあるからです。
今日出会った甲斐犬の飼い主さんは「社会化適期の話をもっと早く知りたかった・・・」と言っていました。
それに対して僕は「いつしか次に仔犬を迎える日が来るときは、実践出来るじゃないですか!(^^)」と話したら納得していました。
出来る範囲でコツコツと。 これが僕の活動です。
貴重な記事と写真を提供頂き、ありがとうございました!
投稿: tタローの主 | 2009/04/20 22:54
tタローの主さん、コメントありがとうございます。
僕もマイロの前に、ラブラドール犬と一緒に紀州犬の牝を飼っていましたので、その日本犬らしい振る舞いは記憶に新しいです。
tタローの主さんが初対面の甲斐犬で体験された、こちらにおしりを向けて座る日本犬も懐かしいです。猟犬の習慣なのか、彼らは「危険がない」と認めた相手には背を向け、時には腰を押し当てて座り、その相手の動きを把握する事で、自分の周囲の全てに注意を払おうとする様です。おもしろい事にジャックラッセルテリアたちも、一緒に休憩していると同じ事をやります。
狼犬は実家の父が飼っていましたが、紀州犬と比べると、臆病な反面、大型犬としては非常におとなしい犬と言う印象です。もちろん一日20kmに及ぶランニングを毎日やっての話ですが。狼犬は自分が子犬の頃に知り合った相手、自分が大人になってから受け入れた子犬や子供を、一生身内として扱う優しい犬でした。僕は子供の頃から洋犬ばかり飼って来たので、紀州犬と狼犬は良く似ていると思いました。むしろ日本犬と洋犬の差の方が大きい様に感じます。
紀州犬は獲物と認識した相手を風の様な軽い足取りでどこまでも追い、3mを超す障壁を易々と越え、起伏に富んだ日本の山野での猟に最も適した犬だと思いました。
我が家の紀州犬は甲府の山の中で拾ってきた犬でした。地元で猪猟をやる男性が、もらい物の牝犬に自分の牡犬を交配し、生まれた子犬が離乳した段階で牡の子犬を残して山に捨ててしまったのです。子犬を拾うと言うとより、野犬を馴致するような事を2週間かけて行い、友人と一緒に牝の子犬2匹をやっと連れ帰りました。幸いまだ乳歯の状態で4ヶ月以前と思われましたので、毎日地元の犬たちと白い毛皮が真っ黒になるまで遊ばせ、なんとか社会化は間に合いましたが、幼い頃に接した犬とその飼い主以外には、一生礼儀正しくよそよそしい犬で、家以外でひとりにされるのを極端に嫌がる犬でした。おそらく子犬時代に捨てられた経験が一生を通じて彼女の性格に影を落としていたのだと思います。
でも彼女が1歳の時に飼い始めたラブラドール犬に対しては良い母として接し、2歳の時に生まれた家の双子に対しては一生守護者の立場を守りました。ラブラドール犬がお産した時は、経験豊かな乳母として振る舞いました。ともかく自分より幼い家族にはとことん優しい犬でした。
ご指摘の様に、現在の日本で、子犬から犬を飼う場合、ペットショップがしばしば行う「子犬の単独飼育」と獣医師の「ワクチンプログラム」のせいで、生後3~4ヶ月の臨界期(社会化適期)に社会化の機会を失う子犬が多い事が、日本の犬をヒステリックで扱いづらい存在にしていると思います。その最悪の例が「手に負えなくなった」として飼い犬を動物愛護センターに持ち込む行為です。日本の動物愛護センターの多くは、未だに野犬収容所と大差のない施設で、欧米のシェルターの様に、犬を一生飼養して里親を捜すような事もせず、一定期間のうちに新しい飼い主が見つからなければ、そのまま殺処分される例がほとんどです。
そう言う悲劇が起きない様にするには、tタローの主さんが言われる様に、まず今飼われている犬が捨てられない様にする事が大切だと思います。僕も毎日の散歩で、飼い始めた子犬に引きずられる様に散歩している飼い主さんを見る都度、マイロとジャンと遊んでもらい、社会化と最低限の訓練の重要性を説いています。
子犬は飼い主と他の犬の相互関係を良く見ています。ですから自分が毎日遊んでもらう大人犬が、自分の飼い主に礼儀正しく挨拶するのを繰り返し見れば、自然と自分の飼い主を上位者と認め、従う様になっていきます。問題は、そういう社会化さえままならないまま、育ってしまったマイロの様な問題児の犬達をどうするかだと思います。
僕も、そういう不幸な生い立ちの犬を、少しでも減らせる様に、あるいは後付の訓練でもなんとか一般家庭で支障なく飼える様に、今も試行錯誤を繰り返しています。個人で犬達に出来る事は限られていますが、これからも両手の届く範囲で最善を尽くしたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
投稿: 史嶋 桂 | 2009/04/21 14:21
はじめまして。昨日3月30日生まれのジャックラッセルテリアの女の子を我が家に迎えました。名前はピノコです。
かわいくてかわいくて仕方がありませんが、犬を飼ったことがないのできっとこれから大変なことがたくさん待ち受けているのだろうなと不安もチラホラ。でも不安や苦労、それ以上に楽しく過ごせればと思っています。
今日は、近くの獣医さんに挨拶に行ってきました。1度お顔を見てもらっておけば、急なときにも安心かなと思い行ってきました。何の異常もなく、健康そのものとのことです。獣医さんも笑顔で対応してくださいました。
さて、しつけについての相談です。今日、今後のワクチン・狂犬病等の注射についての説明を聞いてきました。5/4に一度目のワクチンを打っており、今後6/4・7/4・初回のワクチンがかなり早いので、できれば8/4にワクチンを打って2週間後からお散歩OKというのが理想ですと説明がありました。
さて、ここでものすごく悩んでいます。犬の社会化を教えるには、どうすればいいのだろうと悩んでいます。パピーパーティなるものを探しまわり、2度目のワクチンの6/4以降なら、毎週末どこかで集まりがあり参加できそうです。私が勉強して、教えてあげられることであれば労は問わない覚悟なのですが、犬の社会化という点でしてあげられることは、やはり犬同士がたくさん触れ合う機会を作ってあげることだけでしょうか?
史嶋さん家のマイロちゃんは、2ヶ月過ぎに2度目のワクチンで散歩に踏み切ったとありましたが、3度目のワクチンや狂犬病の注射はどうなさったのですか?また、もし同じように早い段階での散歩に踏み切る場合、注意することはどのようなことですか?健康状態を日々つぶさにみるということでしたら、初心者の私は獣医さんを散歩コースに加えるのもひとつの手かとも思っています。(獣医さんには迷惑でしょうけれど・・・。)
また、2回のワクチンでの散歩のリスクは、ピノコ側にあるだけでしょうか?それとも散歩で出会う犬たちに病気のご迷惑をかける恐れがあるのでしょうか?本当に初心者の質問ですみません。
自分としては、とりあえず2回目のワクチン後、まずは1度パピー教室に参加し、その先生の意見を参考に散歩に踏み切るか考えようとは思っているのですが、、、その前にまず、ココロの師として仰ぐ史嶋さんにご質問させていただければと思いました。
できることがあるのであればなんでもしてやりたいのですが、月6万円の犬の幼稚園は我が家の財布には厳しいです(涙)
今後の更新も心待ちにしています。厳しいご意見も多々あり、情報を発信することも大変かと思いますが、是非頑張って続けてください。
長文・乱文ですいません。
投稿: くろお | 2009/05/11 19:52
くろおさん、コメントありがとうございます。
まず当面やるべき事はあまり先走りせずに、ピノコちゃんの今までの育ち方を確認する事、彼女の性格の見極めを行う事、そして子犬が新しい環境に慣れて、飼い主さんと一緒に元気に遊べる様にしてあげる事です。ともかく環境が変わった事が子犬のストレスにならない様に考えてあげてください。ジャックラッセルテリアは性格のしっかりした子が多いので、それほど神経質になる必要はないと思いますが、この犬種はむやみに閉じこめたりせず、起きている間は常に飼い主と一緒に過ごさせた方が短期間に飼い主になつき、情緒も安定しやすいと思います。
ピノコちゃんは3/30日生まれですと今日5/12時点で生後2ヶ月と12日です。彼女がくろおさんに引き取られる直前まで親元にいて、兄弟姉妹と母親と一緒に過ごしていたなら、初期の社会化は済んでいるはずです。この場合は極端に凶暴な振る舞いが見えない限り、お散歩や他の犬達に対する社会化はそれほど急がなくてもなんとかなります。家の2匹目のジャックラッセルテリアのジャンは、犬の量販店で売れ残っていたおかげで4ヶ月過ぎまで大部屋暮らしでした。そのおかげで4ヶ月過ぎにお散歩に出した段階でもすぐ犬の友達がたくさん出来ました。
もし初期の社会化なしに個別飼育しかしないペットショップで飼われてしまい、甘咬みなどがちゃんと出来ない状態なら、しつけや訓練は後回しにして、社会化のために他の犬と直接遊ばせる事を優先すべきです。
いずれにしても社会化の臨界期(もっとも社会化されやすい時期)は生後12週までと言われますので、遅くとも6月中旬までに、他の犬たちと何らかの社会的接触を始める必要があります。そのためには、ワクチン接種が全部終わっていなくても受け入れてくれる子犬の幼稚園の様な所を利用する方法が考えられます。ただし、パピーパーティなどに時々出る程度では社会化の効果は上がりませんので、出来ればパーティで知り合った相性のよさそうな子犬と一緒に遊ばせたり、週に数回訓練施設で他の犬と遊ばせる機会を設けた方が良いです。他の子犬と遊ぶ時は、お互いにリスクがある事を確認しあってから相互に訪問する様にしてはいかがでしょう。遊ばせる相手は月齢に近い同じ犬種か、この犬種に対抗出来る獣猟犬の子犬が良いと思います。
>史嶋さん家のマイロちゃんは、2ヶ月過ぎに2度目のワクチンで散歩に踏み切ったとありましたが、3度目のワクチンや狂犬病の注射はどうなさったのですか?
マイロの場合は、アルファ気質で全く甘咬みが出来ない状態だったので、リスクはありましたが高力価のハイターターと言うワクチンを接種して、インターフェロンも打って外遊びを始めました。もちろん外に出す前に抗体価が十分ある事を確認しました。狂犬病の接種は居住区の取り決めに従い春に行いました。ただし高力価のワクチンはアレルギー反応を引き起こす危険もありますし、獣医さんによっては抗体価を測ってくれない(あるいは測れない)所もありますので、かかりつけの獣医さん選びも重要なポイントだと思います。
>また、2回のワクチンでの散歩のリスクは、ピノコ側にあるだけでしょうか?それとも散歩で出会う犬たちに病気のご迷惑をかける恐れがあるのでしょうか?本当に初心者の質問ですみません。
毎年ワクチン接種をしている大人犬は、当然抗体価が保たれていますので、万が一近隣で犬の伝染病が発生した場合は、抗体価があがっていない子犬の側にリスクがあります。もしワクチン接種をしていない大人犬がいる場合は、その飼い主側の問題です。そこまで気にする必要はないと思います。周辺の犬たちの情報は近くの公園など他の犬の飼い主さんがたくさん集まる場所に出かけて事前に収集しておきましょう。良い獣医さん選びの参考にもなると思います。
もしピノコちゃんの親元=ブリーダーさんと連絡がつくなら、母犬のワクチン接種がキチンと行われたかの確認も必要です。子犬は初乳を通じて母胎免疫を引き継ぎますが、移行抗体による抵抗力は生後3ヶ月過ぎには落ちて来ます。僕が犬の繁殖を行っていた時は生後3ヶ月過ぎに1回だけワクチンを打ち、抗体価を確認して子犬を分譲していましたが、それで問題になった事はありませんでした。
ご参考になれば幸いです。
あと、コメントを見逃すといけませんので、ご質問の際は新しい記事にコメントしていただいた方が良いかもしれません。これからもよろしくお願いいたします。
投稿: 史嶋 桂 | 2009/05/12 11:30
丁寧なお返事ありがとうございます。お恥ずかしいですが、抗体価なるものを全く知りませんでした。改めて、ワクチンのことなど調べ直しました。年に1度のワクチンではなく、年に一度抗体価を確認する方が、犬への負担が随分少ないのに、決まりごとのようにワクチンを打つこととなっているのは不思議なものですね。
犬の社会化はまずはパピーパーティに参加して考えます。そこでお友達ができれば何よりなので、私もしっかり社交的に振舞えるよう頑張りたいと思います。
さて、ピノコはうちにきて4日目ですが、とてもいい子です。ご飯があるときだけですが、「スワレ」をします。今日は「ダメ」が分かるようになり、足や手にじゃれついてもやめさせることができるようになりました。かしこい子なのだろうと親バカになっています。
ただ、したたかな一面があるので、リーダーだと思ってもらえるようにしっかり頑張ります。
また、ご相談させていただくときは、新しい記事の方へコメントさせていただきます。こうして誰かに相談できるということが、本当に心強いです。ありがとうございます。
投稿: くろお | 2009/05/13 20:48
くろおさん、コメントありがとうございます、
>ただ、したたかな一面があるので、リーダーだと思ってもらえるようにしっかり頑張ります。
確かに(笑)いろんなジャックラッセルテリアを見てきましたが、この犬種は1回のお産で、リーダー気質のコ、下っ端に向くコ、中間的な気質のコの3種類が生まれる犬種だと思います。中間的な気質のコで性格が穏やかなコにあたると、お留守番もひとりで出来、啼き癖もなく、物怖じせず勘が良い分、しつけや訓練がおもしろい様にはいるので「利口な犬」と感じやすいですが、犬が一旦人間より自分が上かも知れないと感じると、とたんに扱いにくくなる事があります。
ジャックラッセルテリアは上下意識がしっかりした犬が多く、子犬でも家庭内の人間関係を本当に良く見ています。たとえば夫婦げんかの後で、犬が奥さんの言うことを聞かなくなったり、子供を叱ったあとで犬を撫でただけで、犬が子供を咬むようになったりもします。
それを防止するには、家人の帰宅時、人間同士が挨拶してから子犬の挨拶を受ける、食事は時間をずらすか人間の後に犬に与える、子犬の前で子供を叱ったり人間同士が喧嘩をしないなど、子犬に自分の立場を誤解させない様な、ちょっとした決まり事を守る事が重要です。逆の見方をすれば、犬の前で家人同士がいつも仲良く礼儀正しく振る舞っていれば、犬もそれを模倣して情緒の安定した良い性格に育てやすいです。これは他の犬でも同じ事が言えるのですが、ジャックラッセルテリアでは特に気をつけたい点だと思います。
それと、ジャックラッセルテリアの子犬がどんなに突拍子の無いイタズラや悪さしても、飼い主が興奮して我を忘れて叱ってはいけません。子犬に対して、ポーズだけでなく「おまえが何をやろうが私は驚いたりしない」と言う余裕を失わない事、声を荒げたり、大げさな身振りをしない事、なども、ジャックラッセルテリアのしつけと訓練の現場では重要な点だと思います。
投稿: 史嶋 桂 | 2009/05/14 14:23
はじめまして。
来月にペットが飼える家に引越しをしてワンちゃんを買う予定です。今、必死で、ジャックラッセルテリアを探しています。彼はワンちゃんを飼うのは初めてで、私は小さい時に飼っていたんですが、何せ、親任せで特に何をしていたわけではない感じです(笑)
とにかく、楽しみでまた、不安でもあります。彼も私も働いていますし、その間にわんちゃんが心配だと彼は強く言い、この奮闘記も全て隅から隅まで読んでいます。実際にワンちゃんを飼い始めたらいろいろなことが分からなくて質問させていただくことがあると思います。
よろしくお願いします。
投稿: lily | 2009/10/27 11:22
lily さん、初めまして、こんにちは、
犬と一緒に暮らせる家に引っ越されるなんて素敵ですね。ジャックラッセルテリアを捜されているとの事ですが、どんなところを捜されているでしょうか?
まず正直な気持ちをお話すると、僕はこの犬種は、初めて犬を飼う方には向かない犬だと思います。飼うのなら覚悟を決めて飼ってください。それと、是非京子アルシャーさんの一連の記事も参考になさってください。子犬から飼う場合のリスクもありますし、ジャックラッセルテリアは、海外でも咬傷事故の上位にいる犬です。この連載を読まれれば、初心者には高すぎるハードルが色々ある事がご理解いただけると思います。
それでも、どうしてもジャックラッセルテリアを飼いたい、という場合、絶対避けた方が良いのは、子犬を単独で閉じこめて展示販売しているペットの量販店です。この犬種は、親元で生後3ヶ月以降まで兄弟姉妹と一緒に育ち一定以上の社会性を身につけ、、性格がある程度見極められる段階になってから引き取らないと後が大変です。そのためブリーダーや個人繁殖家から、一胎子全部を見せてもらい、相性の合う仔を選べないと、飼い始めから手に負えない子犬に当たってしまう確率が高すぎます。
正直僕は、訓練が難しいテリアだけは飼うまいと思っていたのですが、最初に家に来たジャックラッセルテリアのマイロは、ペットの量販店で1.5ヶ月から金魚鉢の様なケースに閉じこめられて飼われていた子犬を、家内と下の子が衝動買いしてきた犬でした。この記事にも書いたように、社会性皆無、家族でもよその人でも、そしてどんな大きな犬にでも、平気で思い切り咬み着く様な危険な子犬でした。幸い彼女は、気だての良い若い狼犬と言う、普通なら「得難いしつけ係」に出会えました。僕自身も今まで数十匹の犬の訓練を行って来た経験がありました。それでマイロの場合は何とかなりましたが、初めて犬を飼う様な方が、マイロの様な気質、来歴の犬にぶつかってしまうと、大変を通り越して飼い続ける事が苦痛になってしまうかも知れません。
犬種選びから見直せるなら、プードル、キャバリア、ラブラドールリトリーバーなど、鳥猟犬出身で、家庭犬として飼いやすい牝犬から選ばれる事をお勧めします。また、血統書付きの犬にこだわらないなら、各地の動物愛護センターで保護されている犬達の中から、性格の見極めがつく犬を選び、成犬から飼うのも一つの選択だと思います。
僕自身も自宅で繁殖した犬を除き、子犬から犬を飼った経験は、まだ4匹だけです。以前は在日米軍の軍属が日本においていった成犬を引き取っては飼っていました。そういう犬たちは、最初の飼い主との別離を経験しているせいか、どの犬も素直で、飼い主が理不尽な扱いさえしなければ、とてもおとなしい飼いやすい犬たちでした。唯一の問題は日本語が通じなかったくらいです(笑)それも半年くらいの訓練で解決する事ができました。
と言うことで、いきなり否定的な事を書いてしまいましたが、今後ともどうぞよろしくお願いします。
投稿: 史嶋 桂 | 2009/10/27 17:18
ジャックラッセルテリアはどうかと思ったときに、この奮闘記を読みました。大変なことは覚悟している。と彼。いろいろなサイトを見ると、みんな大変であると書いています。正直私は大丈夫かなと思ったこともありました。そして、驚きました。どれだけ、大変なんだろうとか、相当な覚悟がいるって言うけれど、どれくらいの覚悟!?とも思います。
こんなに大変なんだ!!と。なので、逆に楽しみになってきました。
今は「いい犬ドッドコム」というサイトを見つけて、そこで探しています。千葉でブリーディングしているようです。ご存知ですか??
どこか、お勧めのブリーダーの方、ご存知ですか?
とても、コメント、大変参考になりました。ありがとうございます。
投稿: lily | 2009/10/27 20:47
lilyさん、こんにちは、
>相当な覚悟がいるって言うけれど、どれくらいの覚悟!?とも思います。
>こんなに大変なんだ!!と。なので、逆に楽しみになってきました。
「我に七難八苦を与え給え」と言う事でしたら、お止めはしません(笑)
実際に2匹のジャックラッセルテリアを子犬から育てて、訓練を行ってきた経験から、僕がジャックラッセルテリアを飼う上で一番問題だと感じたのは、この犬種は可愛らしい外観と実際の性格と体力・運動能力に大きなギャップがあることだと思います。
著しい咬み癖は、生後3ヶ月くらいまでブリーダーさんの元で、母親と兄弟と同居していた犬なら、それほど危惧する必要はないかも知れません。ただし、僕はこの犬種をブリーダーさんから買ったわけではないので、どこが良いかのアドバイスは出来ません。
咬み癖の次に大変なのは、この犬特有の大型犬並の体力と、獣猟犬らしい好奇心とやる気に対して、飼い主がどの様に対処するかです。
他の犬種とも共通する事だと思いますが、子犬で飼い始めたジャックラッセルテリアを、家庭犬としてきちんと訓練やしつけをして飼える様になるには、以下の様な対応が最低限必要だと思います。
1.1日最低3時間以上、犬と遊んだり、散歩したりする時間が必須です。生後6ヶ月を過ぎたジャックラッセルテリアは、犬によりますが、1日のべ5~10kmの散歩をさせないと、運動不足からストレスがたまり、いたずらが酷くなったり、攻撃的になったりします。これは天候に関係なく、毎日続ける必要があります。
2.家人が家にいる間、犬をケージなどに閉じこめて置くことは出来ません。たとえば、子犬が疲れて自主的に休むまで、家族の誰かが常時相手をしてやる必要があります。そして子犬はちょっと休むと、また構ってくれとやってきます。トイレやお風呂に連れて入る必要もあるかも知れません。群れの仲間との触れあい(または取っ組み合い)を常に求める犬であり、犬から見てそれを拒絶されたと感じる相手の言うことは聞かなくなってしまう事もあります。
3.生後3ヶ月台の内に、あらゆるタイプの人間と、出来るだけ多くの犬種と、直接取っ組み合いを含む触れあい開始し、生後1歳を過ぎるまで、これを毎日の様に体験させる必要があります。ジャックラッセルテリアは社会化を怠ると、攻撃的・排他的になりがちなので、こうした実体験は、誰にでもフレンドリーな犬に育てる上で欠かせない事です。取っ組み合い遊びの時間は毎日最低でも1時間くらいとってあげてください。
4.引き取ってすぐ、アイコンタクトの練習を開始し、生後3ヶ月台以降は、毎日の散歩の時間を利用して服従訓練を行い、生後2歳くらいまでに、スワレ・フセ・ツケ・ツイテ(アトヘ)・コイなどに確実に従う様に訓練する必要があります。
5.咬み癖が酷い場合は、上記の訓練に加え、襲撃訓練を応用した「他人や他の犬を咬まない訓練」も必要です。感覚的には、警察犬犬種であるドイツシェパードやドーベルマンを飼う上で必要な運動量と、最低限の訓練が必要な犬種と考えれば良いでしょう。
ただし、ジャックラッセルテリアの訓練に対する熱心さは、そういう訓練性能優先で育種された犬たちとは大違いなため、大型犬が中に詰まった、わがまま放題な小型犬を相手にするようなジレンマが生じます。
ある意味、飼い主が常時犬に対して、上位者である親の地位を占める努力を続けないと、訓練そのものが中々すすみません。今まで飼った犬は、狼犬や闘犬出身の犬ですら、訓練を続ける過程で、徐々に上下関係と信頼関係を築く事が出来ましたが、ジャックラッセルテリアは、飼い主が犬と対立しない方法で(つまり体罰なしで)自然に上下関係と信頼関係を確立しなければなりませんでした。
たとえば、マイロの場合、強制的な訓練は脚側歩行訓練くらいしか出来ませんでした。さらに犬によって、性質と訓練性能に大きな差があるので、一律の訓練が通用しない点も注意が必要です。
なお、ジャックラッセルテリアは、今まで数十匹の犬を見た範囲では、下記のような外観と性質の相関があるようです。これはこの犬種の育種に使われた様々な犬種の性質が、外観に付随して遺伝しているせいかも知れません。
性格のきつさの目安:
スムース>ブロークン>ラフコート・足長>短足・短いマズル>長めのマズル 浅いストップ>深いストップ・立ち耳>半立ち耳>垂れ耳・
ご参考になれば幸いです。
投稿: 史嶋 桂 | 2009/10/28 11:20
とても勉強になります。何回も読み返させていただきました。
明日、ブリーダーのところへ行って我が家の新しい家族を見てきます。
また、何かありましたら相談させていただきます。
投稿: lily | 2009/10/29 11:53