トップ >  世界の犬事情 > 森と犬がくれる生活の余裕、フィンランドの犬事情

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フィニッシュ・ハウンド。フォックスハウンドから派生した北欧のハウンド犬。ウサギ狩に使われる。パックではなく単独で使うのがフィンランド風だ。鹿のニオイを追わせない訓練が入りやすく、そのためもっとも数の多い犬種である。

私の住むスウェーデンの隣国であるフィンランドの犬事情をご紹介しよう。

OECD 諸国で学力世界一のフィンランドとして日本ではすっかり注目の国になっているけれど、犬事情もなかなかのものだ。ヨーロッパでも有数の犬大好き国で、登録されている犬種の数も300以上と、ジャパンケネルクラブの約1.5倍を誇る。ヨーロッパの大きなドッグショーにいっても、珍しい犬種を出陳しているのは、たいていフィンランド人であったりする。もっと興味深いのは、毎年出される犬種別登録数統計に、ほかの欧国にはない、独特のトレンドも見て取れることだ。

以下がデータだ。

  • 1位 ジャーマンシェパード
  • 2位 フィニッシュ・ハウンド(狩猟犬)
  • 3位 ラブラドール・レトリーバー
  • 4位 ゴールデンレトリーバー
  • 5位 フィニッシュ・ラップフンド
  • 6位 ノルウェイジアン・エルクハウンド(狩猟犬)
  • 7位 ミニアチュア・シュナウザー
  • 8位 イェムトフンド(狩猟犬)
  • 9位 フィニッシュ・スピッツ(狩猟犬)
  • 10位 シェットランド・シープドッグ

今、ヨーロッパは小型犬種トレンド花盛り。にもかかわらず、フィンランドにおけるトップ10入り唯一のミニ系はミニチュア・シュナウザー。そして上位の半分が北欧のネイティブ犬種で成り立っている。それもフィニッシュ・ラップフンドをのぞけば、全て狩猟に活躍する犬ばかり。狩猟犬とは名だけではない。フィンランドではいずれも実猟に使われており、逆に猟犬種をペットとしてのみ飼っている人は皆無に近い。珍しい犬好きでもあるが、なかなか硬派な犬国であるということがわかるだろう。

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フィニッシュ・スピッツ。ハンターのおじさんが、ドッグショーに自分の猟犬を連れてきた!フィニッシュ・スピッツは、獣猟ではなく、ライチョウの猟に使われる。鳥をみつけたら、木にあげて吠えてその場に留めておくのがその役割。

そしてこのような犬事情を見ると、フィンランド人らしい「生活の余裕」が見て取れる。彼らは回りにある自然、すなわち森なのだが、そこで余暇を過ごすのが大好き。長期休暇が来るたびに、森のコテージにこもろうとする。そして狩猟は、フィンランド人にとって森とコンタクトをとる手段にもなっている。だから猟をホビーとする人は、けっこうあちらこちらにいる。イギリスのような、上流階級のスノッブな趣味ではない。そして獣を殺す、ということよりも、森に入って犬を使って何かアクティビティを行う、それ自身が楽しくて猟をする。森の使い方をよく知っている、ということだ。

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大型獣猟犬であるカレリアン・ベアドッグはフィンランドが誇るネイティブのスピッツ種。

狩猟が終われば、犬たちはコテージに戻り、一日森で走った疲れでコンコンと寝そべる。ハンターとその友人たちは、サウナにはいってビールや強いウォッカを引っ掛ける。その中で、だれだれの犬は鹿を逃した、鹿に近づきすぎた、いや訓練が悪い、だの猟犬談義に盛り上がるのも珍しくない。

犬や森とごく自然な形で暮らしてゆく。こういう生活の余裕がまだ北欧の国フィンランドにはいきづいている。日本ではフィンランド方式にそって子供の学力をアップ、とやっきになっているけれど、学校の方針だけではなく、ゆるりとした生活のリズムが、実は子供の学習力にもつながっているのではないか。地元の者だからこその、私なりのセオリーではあるが。

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コメント

日本では望んでも得られない素晴らしいドッグライフ・・・羨ましいです。

何よりも、犬種の作出目的に沿った生活を、その犬種の信奉者と愛犬が共に過ごせることの幸せ・・・

スウェーデンで開催されたハンティングドッグ・スポーツ・フェスティバルを見学し、HPR DOGのレトリーブ競技(私はGSPやレトリバーと暮らしているので)にも参加させて頂いたことがありますが、本当に心に残る素敵な数日間でした。

投稿: gundog club | 2009/04/15 07:33

フィンランドのケネルクラブのトップにあるこの二頭もフィニッシュ・ハウンドかな?
http://www.kennelliitto.fi/EN/kennelclub/kennelclub.htm

そこのケネルクラブでは犬の血統書をネットで公表していて誰でも見られるんですよね。
こんなふうに。
http://jalostus.kennelliitto.fi/frmKoira.aspx?RekNo=ER44034/08&R=257
うらやましい。

投稿: 通りすがり | 2009/04/15 10:34

はじめまして
ゆめ子♪と申します。

スウェーデンで犬との生活 羨ましいです。

やはり
日本と違って
「スウェーデンらしい犬」ですね^^

投稿: ゆめ子♪ | 2009/04/15 11:33

こんにちは

日本でも柴犬が山鳥を枝に停まらせる猟技を持っているようです。
定かではないですが、黒柴は出来ないとか・・・?
説によれば色が狐と似ているので山鳥は飛んで逃げずに安全な木の枝に止まるのではないかと・・・フィニッシュ・スピッツも赤系の毛色ですね。
何か共通する部分があるのでしょうか。

いつもながらに猟犬の奥の深さを感じます。

投稿: IVORパパ | 2009/04/16 15:13

>Ivorぱぱさん

あ、ご存知でしたか、柴犬も同じ猟芸をもっているのを。揚げ木打ちというそうですね。私は文献でしか確かめたことがないのですが、スピッツを使う猟芸っていうのは、日本も北欧も同じである、というのがとても興味を惹かれます。
ロシアではライカも同じ猟芸を見せるようですよ。しかしライカは特に雷鳥に専門化した犬ではないのですが。
またヨーロッパ各国から猟犬の情報をお届けしますので、お楽しみに!

投稿: ふじた | 2009/04/16 15:24

狩猟民族の歴史を彷彿と感じさせる話題ですね。
狩猟民族は狩猟犬と共に獲物を追って追って追い詰めて射止めるかなり残酷な行動なのだけれど、パートナーである狩猟犬は大事にされています。なんせ相棒なのですから。1度スペインでウサギ狩りに傍観者としてくっついて行った事があります。
反面、穀物の種を蒔き、成長を大事に慈しみ育てる農耕民族である日本人が趣味と言えど狩猟解禁時期に狩猟犬を伴って狩りに出かけても、用済みになった道具である猟犬たちを数多く山に棄ててくる行為は何なのでしょう。
同じ道具である銃は丁寧に磨き上げ,一緒に寝るくらい大事にするのに、相棒である筈の猟犬たちを粗末に残酷に扱えるのは農耕民族の優しさがどこかで消滅したのでしょうか。

投稿: chatokibi | 2009/04/18 17:05

趣味のハンターはあくまで趣味のハンターで本業の猟師とは違います。
本業の猟師は「犬は鉄砲打ちの神様」として猟犬を大事にしてきた筈です。

投稿: 通りすがり | 2009/04/19 21:00

通りすがりさん、ありがとうございます。

本物猟師の神髄を表す言葉、「犬は鉄砲打ちの神様」を教わりこの上なく嬉しいです。

藤田さんは今回の記事でフィンランドの猟を趣味とする人たちがごく当たり前に猟犬を育て、季節になれば愛犬たちと森に入り共同作業の狩りを楽しむ”犬や森とごく自然な形の暮らし”様を書いておられます。 この素晴らしい犬たちとの共生の一つを日本の猟を趣味とする人たちも 「犬は鉄砲打ちの神様」を真摯に受け止め、お供する猟犬たちと真の絆を作ってくれるよう願うばかりです。

投稿: chatokibi | 2009/04/21 15:43

そういえば、日本犬でも甲斐と四国犬だけが、猟の時、時々樹上を見上げて樹間にいる獲物を見つける事が出来るそうですが、犬種によってそれぞれ特性があるのが面白いですね。

猟犬を捨てて行くのは大抵スポーツハンターです。彼らにとって猟犬は只の道具ですから。だからうっかり見失った犬はさっさと放って帰ってしまいます。それが野犬化して北海道などでは集団でエゾシカを襲ったりしている様ですが・・・
更に、猟の途中で犬に遭遇したら、撃ってしまうそうです。以前知り合いの家に遊びに行っていた時に、車の修理に来た(板金屋でしたから)人が面白おかしく言っていました。山道に犬がいたので撃っちゃろうと思って(鉄砲を)構えたら後から飼い主が出て来て止めたと。
皆がみんなそうではないでしょうが。

フィンランド土着の犬ってフィニッシュスピッツとカレリアのライカ犬の一種しか知らなかったので色々いるんだな、と思いました。
また今度調べてみようと思います

投稿: 昇汞 | 2009/05/17 01:20

はじめましてhappy01
東京下町在住の3スピッツ飼い(+4ニャン)です。
8月7日8日にフィンランド、ヘルシンキ郊外で開催の「日本スピッツ展覧会」見学に行く予定です。
フィンランドで検索していて、こちらのブログにたどりつきましたclover
歯のケアやスタンダード定義、ミックス犬等の記事を興味深く読ませていただきました。
日本スピッツは昭和30年代に流行りましたが、今では幻とか絶滅寸前とか・・・珍しくなりましたが、フィンランドやスウェーデン等ではとても愛され大切に育まれています。
こちらのブログにも綺麗なスピッツの画像が掲載されていてとても嬉しく思いました。(私たちが犬を擬人化してしまう理由②に掲載)
森と湖と美味しい空気と・・・あこがれの北欧で美しいシロフワなスピッツとの出会いを今から心待ちにしています。
フィンランドでの暮らし・・・・日本なら北海道の原野のみに許される空間ですね。そういった暮らしを楽しんでいるスピッツ仲間もいてちょこっと救われています。

投稿: ナナママ | 2009/06/16 21:52

エルクハウンドで検索をしてここにお邪魔しました。
今回6位に入っているノルウェジアン・エルクハウンドを
日本で飼っている者です。
日本では超マイナーな犬種ですが、フィンランドでは
よく見かけることができるんでしょうね!!
(母国ノルウェーでは何位なのか気になります(^^)
こちらに親戚犬の飼い主さんのHPがあり、うちのエルクも
載っています。よかったらご覧下さい。
http://elkhound.kikirara.jp/

我が家のエルクも本来はヘラジカ狩の猟犬、
北欧の広々した森で思いっきり放してあげたいです。

投稿: エルクママ | 2009/06/27 18:02






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