
セター風にみせることだってできる。
前回の続き、スウェーデンのミックスドッグショーのレポートである。みんなが楽しむためのミックスドッグショーではあるが、これを純血種のドッグショーのパロディー版だなんて思っちゃいけない。ちゃんとペットフード会社からのスポンサーもあり、審査員もいるのだ。

ベスト・イン・ショーに決まったのは、このビションミックス。体のバランスが取れていて骨格がしっかりしているから、とは審査員談。
ファイナルリングではしっかりベスト・イン・ショーも選ばれる。クラス分けも本来のドッグショーと同じで、パピー、ジュニア、ヤングアダルト、オープン、ベテランと年齢別に競う。大きな違いは、犬種がいないから当然なのだけど、BOB(ベスト・オブ・ブリード)や BIG(ベスト・イン・グループ)がないところ。
ファイナルリングでは、各クラスから選ばれた犬が対戦する。もちろん誰でもハンドリングできるという楽しい雰囲気ではあるのだけど、さすがにファイナルリングまで来ると、ハンドラーの腕はショーハンドラーのそれと変わらない。シェパード風に尻部を落として見せる人、セッター風に尾を手であげて見せる人など、自分が好きなように凝らすことができるから、それもまた楽しい。犬たちだって純血種に負けないぐらい、美しくグルーミングを施され登場する。アフガン風な犬、テリア風に手入れされている犬等、スタンダードに関係なく飼い主の好きなように手を加えることができる。これもミックスショーならではの遊べる部分。
でも一体どうやってスタンダードのないミックス達をジャッジできるのだろう?
犬種の審査と同様ちゃんと歯の数も見る。健全性はミックスショーとはいえ大事なのだ。
純血種のドッグショーの審査基準は「タイプ(犬種らしさ)」「クォリティ(犬種特徴の質)」「サウンドネス(肉体的精神的な健康度)」「コンディション(健康状態)」「バランス(体躯構成の均整さ)」そして「キャラクター(内面の気質)」。
最初の二項目を抜かせば、ミックスの審査も同じ基準で行われている。純血種の審査と同様、歩様や角度が大事なポイントなのはいうまでもない。結局は犬という動物の持つ美しさそのものを審査するということにつきるのだ。
そしてなんと、審査員はミックスドッグクラブで独自に養成した審査員が招かれる。この凝り様!クラブで教育を受けた審査員は5人。普通の審査員教育と違うのは、ブリードのスタンダードを覚える必要はないこと。その他は同じで、骨格や体の構造、歩様の理解を深めるために講義を2週間にわたって受ける。その後リングスチュワード、審査員アシスタントを数十回経て、一人前の審査員となる。ちなみに純血種の審査員はミックスドッグのショーで審査することは公式にはできない。が、たまに友情出演として審査してくれるなんてことはあるそうだ。
リングで勝った、負けたからといってミックスショーの場合別にどうなるわけでもない。ミックスドッグだから、その勝った犬を基にして繁殖するわけにもいかない。また故意にミックスを作っている人にも出会わなかった。
「ドッグショーで勝てば、うちのコこんなにきれいな犬なの!っていう自己満足以外ありません。負けても相変わらず私の大好きな愛犬。要は一緒に何かを楽しめればいいんです」
ミックスショーに参加したある飼い主談である。
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