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ヒトの一日が24時間でリズムが刻まれる一方で、犬は7時間のリズムで生きている。

犬はヒトよりも新陳代謝が早く、集中した身体機能を備えていて、それなのにヒトはヒトの時間感覚を犬に当てはめようとしているのだ。

ヒトが昼間活発に動いている間に犬は休息をとって寝ていたり、はたまたヒトが夜ぐっすり寝ている傍らでごそごそと犬が夜行性を示すなんてのはやはり時間の流れ方がそれぞれ違うから。

犬にとって一日は長い。7時間のリズムを当てはめるならばヒトの一日は犬にとっては3日に相当することになる。だから朝から晩まで出歩いたりあるいは長時間留守番をさせるなど、私たちのペースで日常の物事を押し進めてしまうと犬にはとても辛い。でも犬は言葉を話すことができないから、飼い主が気が付くしかないのである。

犬の一生は長そうに見えて短い。太く短く生きる、そんな犬のリズムを理解しできるだけ時間にゆとりを持って臨機応変な生活を心がけるのも、犬との生活を楽しくする秘訣のひとつだと思う。

犬の年齢をヒトの年齢に換算

昔はよく犬の年齢を人の年齢に換算するとき「最初の1年が15歳で後は5年づつ加算」と大雑把にいわれたが、現在ではもう少し細かい解釈がされるようになり、犬の大きさによって加齢スピードは異なるとされている。

体重15kgまでの小型犬なら最初の1年で20歳、その次の年に8歳加齢の後は4歳ずつ年を取るのに比べ、それが超大型犬(体重45kg以上)になると最初の一年は14歳。しかしその後は9歳ずつ年を取ってゆくので寿命は小型犬の半分ほど。

その中間の犬(体重15-45kg)では最初の1年が18歳、その次の年には9歳、満2歳を過ぎれば6歳ずつ年を取ることになる。

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寿命の話

なぜ小さな犬種が大きな犬種よりも寿命が長いのか?それには2つの仮説がある。

ひとつは大型犬は生まれて最初の一年の間に想像を絶するほどの急成長を遂げるため、その影響により後々寿命が短くなるという説。

もうひとつは小型犬は足が短いので比較的歩数を多く歩かなくてはならず、それにより体全体の血液循環が良く、そして長期にわたり均一に負荷をかけることで長い間犬は健康でいられるという説。

どちらが真実か、はたまたどちらも見当違いなのか?それは神のみぞ知るといったところだろう。

寿命を統計から見ると?

  • 肥満の犬は痩せた犬よりも寿命が短い
  • 一般的には小型犬の方が大型犬よりも長生き
  • 同じ大きさの雑種と純血種では雑種の方が長生き
  • 同じ犬種内ではオスとメスに寿命の差はない
  • 同じ犬種内で避妊・去勢をされた犬は未避妊・未去勢の犬よりも1年長生き
  • 田舎の犬は都会の犬よりも長生き

「純血種よりも雑種の方が長生きである」という裏には純血犬種内での近縁係数(Inbreeding coefficient)が関係してくるらしい。近親係数とは言い換えれば近親交配度、個体の中にどれだけ同じ先祖の遺伝子が入っているかを知るためのものであるから、純血種という限られた遺伝子プールにおいてはどうしても逃れられない運命のようなものともいえる。

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一般的に高齢といわれ始める目安は小型犬で10歳から、中・大型犬で7-9歳、超大型犬では6歳。それでもいつ犬が「高齢」となるかには個体によって差があり、犬種や大きさなど寿命に遺伝が関わるのはせいぜい30-50%、その他もちろん食餌や飼育環境などが大きく関与してくる。

犬の一生は短いとはいえ、高齢はゆっくりと押し寄せてくるため愛犬と毎日接していると一体いつからシニアに数えればいいのかわからない。「はい、今日から高齢です」と切り替えられるのならば簡単なのに。

史上最高齢の犬は29歳と5ヶ月。1910年に生まれ1939年まで生きたオーストラリアン・キャトルドッグの Bluey は生涯のうち20年間も牛と羊を取りまとめてきた現役だったそうだ。ちなみにオーストラリアン・キャトルドッグの平均寿命は11-12年といわれている。

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コメント

記録にある、史上最高齢だった犬が、使役犬だったって、なんて素敵なんでしょう。20年間も、その犬種としてのお仕事をできたってことは、人間の価値判断を超えたところでも、幸せな犬だったって言えると思います。


しかし、1歳の犬は18歳,2歳で27歳(中型犬で)程度という部分は、「生物学的に見て」という事でしょうか?

人の持つ認識として、犬にもう少し「時間を与えて」考えた方が、犬には優しいように思います。

1歳で18歳、2歳で27歳なんていう認識になると、2歳になっても落ち着かない犬、なかなかお行儀が良くならない犬は、「生意気だ」とか「自分がボスになろうとしている」とかいう言葉のもと、不当な扱いを受ける可能性があると思います。

人社会に適応するためのお勉強時間としては、犬種にもよるのでしょうけれど、「3年で大人」というくらいの時間の余裕を与えたいと思います。

実際、使役犬(ほとんどの犬が元々は、その目的で作出されていますし)が、役に立つようになるのは、3歳ぐらいになっててからと思います。

投稿: dddd | 2009/07/03 10:47

犬は7時間サイクルなのですね。
そう考えると、なるほどー、と思うことがたくさんあります。
人間と共に暮らす以上、人間の生活リズムに付き合ってもらっていますが、
その時点ですでにちょっとしたムリをさせてしまっていると思うと
なんだか申し訳ない気持ちになってしまいました。(>_<)
私たちは何でも人間に置き換えて考えてしまいがちですが、
犬を犬として正しく理解しなくちゃいけませんね。
これからも勉強になるお話をよろしくお願いいたします。

投稿: そらぬし | 2009/07/03 22:14

>犬は7時間のリズムで生きている
>ヒトの一日は犬にとっては3日に相当することになる
なるほど!とても勉強になりました。
犬達に私の生活のリズムを押し付けてしまって申し訳ないですが、人間と一緒に暮らしている以上仕方のない事かな?と思いました。

史上最高齢の犬が牧畜犬だったって事は納得できます。
羊や牛を追って走り回っていた訳ですから肥満とは無縁でしたでしょうし、毎日の労働で心肺機能が鍛えられていたからだと思いました。
昔私の知り合いが飼っていた橇犬で20才位まで現役で走っていた豪傑が居ましたが、犬橇界では史上最高齢の犬だったはずです。
犬もヒトも常日頃体を鍛えた方が長生きできそうですね。


投稿: ウインナー | 2009/07/04 00:35

加齢スピードについて、もうすこし根拠を教えてもらいたいです。

人間の平均寿命と犬の平均寿命を比べて、犬の加齢スピードのグラフが
どのような曲線で推移していくか、という解釈の違いなのでしょうか?
そうだとすると、何を基準にして曲線の推移を決定するのでしょうか?

それから人間の24時間が犬にとっての7時間という話ですが、これも
犬の年齢や身体の大きさによって違いがでてくるということでしょうか?

いろいろと細かい突っ込み、すみません。

投稿: まおまお | 2009/07/05 11:45

初めまして。 この度の記事を興味深く拝見させて頂きました。(^^)
話の大筋はなるほど~と思えたのですが、ひとつ素朴な疑問があるのでお教え願います。

>ヒトの一日が24時間でリズムが刻まれる一方で、犬は7時間のリズムで生きている。

24時間というリズムは、人間だけの感覚なのでしょうか? 地球が一回転の自転を24時間かけて行うことで昼や夜が存在します。 また、そこに公転が絡んでくるので、季節による日照時間の違いも生じる訳かと。
そして多くの哺乳動物は、大別すると昼行性と夜行性に分けられると思うのですが、イヌ科動物もネコ科動物も実際には昼夜問わず活動しています。 それでも、犬の1日のリズムというのは日照時間を加味した24時間(地球時間)が基本だと思っております。

「犬の時の流れは人間の3倍の速さに感じる」というのであれば理解出来るのですが、「7時間リズム=1日」という根拠が何なのかを知りたいのです。
例えばある犬の群れにおいて、約7時間のサイクルで「起床~行動~睡眠」などの観察事例が見られたのでしょうか?
また、「7時間=1日」で考えると、日照時間という概念が吹き飛んでしまいそうですが、その辺りの話(推論)もお聞かせ頂ければ幸いです。(^^)

すみません、心から素朴に思った疑問なので宜しくお願い致します。


投稿: タローの主 | 2009/07/13 22:23

みなさん、いつもいつも遅れたレスでごめんなさい。

>ddddさん
この記事でお話している「ヒトの年齢に換算した犬の年齢」は身体的なものについてです。
精神的な年齢はもっとフクザツで、それこそヒトの場合でも皆が皆20歳で大人なんてことはないでしょう?(笑)年齢を聞いただけで犬に「年相応さ」を求めるのはちょっと期待しすぎでしょう。
それでも昔は「四十にして迷わず」といいましたから、まあ犬が3歳くらいから能力を発揮すると言うのと近いものはあると思います。
でも精神的な成長度は犬でも周辺環境による影響が大きいので、飼い主の対応とか社会的経験などもう一度振り返ってみたいですね。

>そらぬしさん
犬を見ていていつも思うのは「よく寝るなぁ...」と。(笑)
けっして深く眠っているわけじゃないんですけど、感心します。
犬の生活リズムがヒトと異なることはなんとなく気づきますよね。
それでもしっかりと腹時計は正確であったりするのが不思議です。

>ウインナーさん
20歳まで現役だった橇犬ですかっ!それもすごい!
体はできるだけ楽をさせた方が長生きする、と思われること多いですけど、実際にはその逆なんじゃないかなと私は思います。
運動機能だって免疫機能だって、ある程度使うことが自然の前提なわけですから、それを怠けさせると今度は別のところに弊害が出て全体的なシステムが狂ってしまうと思うんですよね。
自然が作り出した犬という生き物が持ち合わせる能力を自然に使いこなすことが最適なのだと思います。
後は私たちがどこまでそれを犬に与えてやることができるか、ですよね。

>まおまおさん
加齢スピードとリズムについて、その元になっているのはただ生活行動の周期を比べているわけではないんですよ。
犬にしろヒトにしろ、はたまたどんな動物でもその行動の裏には体内の変化があります。
いわゆる生物学的なリズムを比較するとき、その動物種の生理学的なサイクルを血圧や体温、神経細胞活動や副腎皮質ホルモンなどの変化を観察することで見ることができるのです。そしてこれらリズムを決定する現象の中でも外的要因からの影響を受けやすいものとそうでないものがあり、外的要因の中でも光は特に体のリズムに影響を与えるとされています。
体の大きさによるリズムの差は個人的には多少はあると思います。
この投稿の一番下に参考文献をご紹介しておきましたので、ご興味とお時間がありましたらどうぞご覧ください。

>タローの主さん
実は、リズムと言ってもすべてのものがひとつのリズムで賄われているのではなく、人の寿命のようにほぼ100年に近いマクロの単位から分子レベルでのミクロな単位もあり、生き物はこれらがいろいろと組み合わされてリズムが組まれているのです。
生活リズムの測定には上記でお話したような「行動の元になる体内の変化」を観察することが用いられており、また環境条件に関連したリズムをcircadianといい(circaは「だいたい、およそ」という意味)、必ずしもきっちりと7時間!とか24時間!というのではなく「およそxx時間」という目安となる単位として扱われています。人のリズムでいえば24時間ではなく23-27時間くらいの幅があるそうですよ。
日照時間も季節によって変化しますから、揺らぎの遊び部分というのは自然な現象のうちだと思います。地球の公転だって4年に一回はうるう年で調節しているくらいですもの。
犬の体内リズムが約7時間で、日が昇って沈んでまた昇るまでにそれが3サイクルするというのがそもそもの犬の日照サイクルに対するリズムだとしたらどうでしょう?
生活リズム1サイクルのうちに一回必ず日が昇って沈むと言うのはあくまでもヒトの場合のリズムですし、かといって日のサイクルは太古の昔から変わらないわけですから、たぶん私たちの頭の中を少しだけもみほぐしてやることで不思議は解決するのではないでしょうか?私たちだって約24時間でサイクルを持ちながら一年は365日、日本ならば四季の変化があって一年のサイクルが出来上がっていますよね。
日照時間といえば只今ドイツは夏ですので夜は10時頃まで明るいです。でもそれが冬になると15時半にはもう日没...日本生まれの私の生物時計もおかげでちょっと狂い気味です。(笑)
以下、生物学的な時間の測定についての参考文献のうちネット上で読めるものをひとつご紹介しておきますね。お時間とご興味がありましたらどうぞ...

「On the nature of the circadian clock in mammals」
http://ajpregu.physiology.org/cgi/content/abstract/264/5/R821

投稿: 京子アルシャー | 2009/07/14 22:23

京子アルシャー様 

>犬の体内リズムが約7時間で、日が昇って沈んでまた昇るまでにそれが3サイクルするというのがそもそもの犬の日照サイクルに対するリズムだとしたらどうでしょう?

この一文で納得できたと同時に、色々と詳しい解説を頂いたおかげで大変勉強になりました。 本当にありがとうございます。(^^)

投稿: タローの主 | 2009/07/15 10:59






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