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Dog Walk Diary 04: Winning

[Photo by Rich in Orderly Manor]

街の中で気持ちがよいほど躾の行き届いた犬をみることがある。

リードを引っ張ることもなく飼い主に合わせた歩行でペースで歩くのみならず、他の犬とすれ違っても暴れも吠えもせず、また店の前でちゃんと座って飼い主を待つ姿は微笑ましくさえ感じられる。こんな犬ばかりならきっとこの世に犬嫌いが消滅する日も近かろう、と思ってしまう。

現在ドイツでは一部の飼い主に「犬の飼育免許制度(Hundeführerschein)」を適応している。ただ、一部の飼い主、というところにご注目。けっして「運転免許証」のようなすべての飼い主に対するものではない。この辺よく間違って話されるので、この場を借りてよくよく言っておく。あくまでも一部の飼い主に、である。

さて、一部の飼い主とは一体どのような飼い主かと言うと、それは法律で『危険犬種』に指定されているピットブルやブルテリア、土佐犬などの飼い主のほか、犬種に関わらず噛み事件を起こした犬の飼い主のことを指す。

2007年よりドイツでは連邦獣医師会(BTK)を筆頭に多くの犬に関する団体が公認する D.O.Q.-Test 2.0 というテストが「全国共通犬の飼育資格試験」として導入された。このテストは連邦獣医師会の動物行動療法を専門に扱う獣医師・大学研究者・ドッグトレーナーらが協力し数年かけて開発され、犬と飼い主がともに社会に適応可能であることを証明するものである。

このテストは犬の飼い主への適応だけでなく犬を取り扱う業種(未避妊のメスを3頭以上飼っているブリーダーやドッグ・トレーナー、お散歩サービス業、ペットホテル経営など)にも適応され、その場の責任者は必ずこの免許(プロ・バージョン)を取得していなければならないということになっている。

Two Styles of Dog Walking

[Photo by CarbonNYC]

では実際にどのようなシステムになっているかを見てみよう。

このテストでは犬の習性や行動・飼育管理に関し理論と実技の2部から構成されている。

1. 理論テスト

30問のマルチ・チョイス方式。動物病院あるいは犬の訓練所など団体指定の一室にて行い、45分以内に回答し提出する。出題は「仔犬の選び方・育て方」「学習行動」「犬と公共の場」「犬の表現行動」「飼育/ケア/健康」「犬と法律」「犬とヒト」の7分野から。

例題は一般公開されていないけれど、ちょっとここで数問題試してみよう。

第一問: 散歩のとき愛犬がほかの犬に向かって唸ったり吠えたりしたときの飼い主の対応で正しいのは?
A 犬を落ち着かせるために「大丈夫だよ」と声をかける
B 吠えるのを止めさせるため叱るあるいは叩く
C 犬が吠えるのを無視して別方向へ向かって歩く

第二問: 親戚の叔母さんが家にやってくると必ず愛犬が叔母さんに向かって吠え続ける。ここで飼い主の対応は?
A ドアを開ける前に指定の位置でマテをさせる 
B 犬を叱る
C 犬を呼び戻しおやつで気をそらせる

第三問: 愛犬がほかの犬に出会って尻尾をピンと垂直に立てて左右にゆっくりと振っている。これは何のサイン?
A 友好のサイン
B 不安と攻撃が混ざった複雑な気分と緊張のサイン
C 自分をかっこよく見せるための気取ったサイン

第四問: 犬に近寄るときにとる行動で正しいのは?
A 立ったままで顔だけ寄せ、できるだけ大きな笑顔で犬の体を両側から固定する
B 犬の前にしゃがみ、犬の横を見ながら手の甲を犬に差し出し犬の反応を待つ
C できるだけ大袈裟なアクションで犬の気を引き、大きな声で自分の強さを印象付ける

第五問: 飼い主家族が親子で遊んでいると愛犬が必ず割って入り子供に対して唸る。こんなときどうしたらいい?
A 間髪いれずに犬を叱り、その場から遠ざけ別の部屋に閉じ込める
B 犬に声をかけてなだめる
C 犬の行動をしばらく静かに観察し、状況が酷くなる手前で犬の気をそらす

正解はC、A、B、B、C。

こういった問題約400問あるうち7つの分野から30問がランダム出題され、そのうち各分野50%あるいは全問中75%正解であれば合格だ。

little-dog-and-legs

[Photo by fergyphotos]

2. 実技テスト

自分の犬(生後1年以上のこと)を連れ、人ごみの中や自転車・ジョガー・子供たち・犬と行き交い、その時の飼い主の対応が行動療法専門獣医師により審査される。

審査対象となる場面は以下のようなもの。

  • 車の乗・降車時(コマンドやサインで誘導しているか)
  • リードをつけての歩行
  • 基本となる5つのコマンドの遂行(お座り・立て・伏せ・待て・来い)
  • リードにつけた犬の後ろを一定の間隔を保ち歩く
  • 知らない人が犬に近づいてきたときの対応
  • 知らない犬とすれ違うとき(2-3mの距離)の対応

これらの場面について飼い主の態度だけでなく、犬の行動も評価される。

もしもこれらの場面のうちひとつでも飼い主が犬の態度を好ましい状態に誘導できなかったり、不注意あるいは不適切な対応であるとされた場合、そして犬がコマンドを遂行しなかったり極度の反応を示したとき当然テストは不合格となるのだ。

この D.O.Q.-Test 2.0 は上記にあげたような飼い主には義務付けられているが、受験者は意外にもその他の一般の飼い主が多いという事実。みな自分の持つ犬の知識や経験を測ってみたいと思っているようだ。

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コメント

ちょっぴりこのテスト受けてみたい・・・と思ったりしてます。

”この D.O.Q.-Test 2.0 は上記にあげたような飼い主には義務付けられているが、受験者は意外にもその他の一般の飼い主が多いという事実。みな自分の持つ犬の知識や経験を測ってみたいと思っているようだ。”→やっぱり皆そう思うのですね(笑)

まずは、受ける前に私の場合ドイツ語なんとかしないといけませんね(笑)

こういうテストで、基本的な共通の知識を持つのってとてもいいと思います。この免許とったら「犬税免除」とかならもっといいのに・・・まぁ、無理ですね(笑)

投稿: ベックマン | 2009/10/13 20:29

納得です。

ドイツの犬を飼う事に関する「免許」云々を何度か聞いていたのですが、ドイツ人の知人は、自分はそんなもの持っていないと言いきっていたので、どうなの????っと思っていました。

日本では、「犬は何するか解らない」という言い方が大手を振って歩いている反面、自分の犬が起こした咬傷事件に対する飼主の意識が、なぜか甘くなってきているような気がします。
なんか、バランスが狂っているようです。

投稿: dddd | 2009/10/14 10:52

 はじめまして
理論テスト全てBでした…
飼う資格はあるのでしょうか…
 
私は今3年前に拾ってきた犬を飼っています
どうも産れて半年の間の環境のせいでしょうか
常に飢えた状態でいくらでも喰う、(デブ、医者に食生活注意され)
目が野性的(目を合わそうとしない)落ち着きまるで無し、
まぁ・これらは別にいいのですが・・
無駄吠えに困り果てているところです…
何か良い方法は無いのでしょうか?
市販の無駄吠え防止首輪とか考えましたが・
犬たるもの吠える事全てを奪うのも忍びなく・・
あまり吠えないでくれれば良いのですが…
 
どうすりゃいいのかなぁ・・・・・・・・・・・・・・。

投稿: アルバートです | 2009/10/16 01:26

実技が伴っているという点はいいですね!
しかし、しつけの仕方は犬や家族構成などにより様々
この状況のときはこう!と1つしか答えのないのはどうなのでしょう?
例えば、第二問の叔母さんに対して
・そもそも何で吠えているのか
・犬がどうなってほしいのか
分からなければ対処の方法が分からないですよね
基本はあっても絶対ってないと思うし
指定の位置で待ちながら、吠えててもいいのだろうか・・
その辺りが疑問デシタ

アルバートさんは、基本的に叱ってしつける方なのですね
5問目はAではないんですね~
>犬たるもの吠える事全てを奪うのも忍びなく・・
とお考えなら、頭ごなしに叱るのではなく
なぜ吠えているのか犬の言い分を考えてみて
別の行動で吠えないように手を差し伸べてあげるのはいかがでしょう?
例えば1問目のように
詳しい状況は分かりませんが
ワンちゃんが目を合わせなかったり落ち着きがないのは
心から安心できずに、いつ叱られるのかな!?とビクビクしているようにも感じました(違ったらごめんなさい)
家庭で過ごす子にとって大事な部分だと思いますし
無駄吠え(?)の原因かもしれませんよ

長々とスミマセン

投稿: mayu | 2009/10/16 22:45

 御返信ありがとうございます

訳ありの犬でしてねぇ・・・
近所(甥)の会社の裏にいた野良犬の子で
甥にあたる子供が会社の人から拾い貰うかたちで引き取ったらしく
その甥がアレルギー発症・・私が引き取り飼うかたちに
犬としてみれば一年に3回飼い主が変わったかたちなんですねぇ

無駄吠えは「相手しろ」な感じ、家の前通る人(特定)に吠えまくり
甘やかした結果なのかと・・因みに叱っても無理
夜中に吠え声で目が覚める事しばしば
近所迷惑になっているかと心配でしてねぇ・・
今時、外・犬小屋飼いとはナンセンスなんでしょうかねぇ

投稿: アルバートです | 2009/10/17 01:49

アルバートさん

横から失礼します。
これはぜひdog actuallyライターのお一人史嶋さんにご相談を(笑)
ジャックラッセルをタイトルにあげていらっしゃいますが
いろんな犬の訓練を経験豊富にしていらっしゃるので
ジャックラッセルオーナーではない私もいつもたいへん参考になり
洞察力の鋭さに舌を巻いております。
ご愛犬のサイズ、体型、年齢、飼育環境、家族構成などを詳しく書いて
一番困っていること、一番にリハビリしたいことをご相談になってみてはいかがですか?

投稿: あが | 2009/10/17 01:56

 あがさんへ
横槍ありがとうございます
いやぁ~そこまで深刻に困っているわけでもないんですよ
チョット重く見えますね確かに(困っているのは確かです)
どうなんでしょうかねぇ・・「生まれ持っての気質」、
私自身初めて犬を飼う者でもないのですよ
この性格の犬は初めてで戸惑いが多大で…
今まで飼った犬は叱る行為必要無かった(おりこうだったのかなぁ)
もんでなんかないかといった感じです。

あとイビキにも困っているんですよ(でぶだから)。

投稿: アルバートです | 2009/10/18 03:21

動物行動学や心理学を修めたエキスパート、延べ数十頭の犬を数十年にわたり
観察した平岩米吉さんみたいな人以外は、「犬は何するか解らない」
「けだものは豹変する」と思っておくのが正解だと思いますよ。
自分は自分の犬のことをよくわかっていると過信している人に
事故を起こす人が多いのですし。

投稿: 関東リーマン | 2009/10/20 13:49

>ベックマンさん
残念ながら犬税は税務署の管轄なので獣医局の指定する飼い主免許とは無縁のものです。(笑)
犬税が免除されるのは外国人では大使館関係の人たちくらいのものですから。
力試しに受けてみたい人多いですけど、もし落ちたらそれなりにショックでしょうね...(^^;)

>ddddさん
「犬はナニをするか解らない」でもいいんです、その後の責任が取れれば社会はそれで納得するでしょう。でも犬を信じているのに何かが起っても責任が取れないような飼い主も多いですよね。
いやこっちの方が多いか。(と、これは後のコメントに続くのですが)
事故を起こしたのが犬であれ、本人であれ、責任が取れない人は増えているようですね、ましてや加害者なのに逆ギレする人も多いですから。
まともな話しが通用しない世の中は疲れます。

>アルバートさん
犬を外で飼うとどうしても家族との間に距離が開きますから、よっぽど一緒にたくさん遊んでやるなどをしないと飼い主の存在はスルーされます。犬によっては「飼い主とは都合の良いメシ係」といったところでしょう。
お話から私が一番気になるのはご愛犬の「運動量」そして「褒めることはしているか?」です。
夜中に吠えるのは番犬として良しとされていましたからうちの義父なんかだったら喜ぶでしょうけど、裏返せば「暇をもてあましている」と言うことにもなります。
とにかく外部の音や周囲の変化を敏感に感じてしまい落ち着きなくうろうろする、飼い主の眼を見ないほど気がそぞろなのだと思います。
そんな状況では叱っても無駄ですよ、叱れば叱るだけ飼い主はマイナスな存在になります。
ご愛犬を褒めてやるタイミングはちゃんと掴んでいますか?
褒めるタイミングが見つからないときにはとにかくご愛犬を連れて一日野山を歩き回ってみてください。
ご愛犬の知らない環境(野山)をゆっくり時間をかけて歩き、心身ともに疲労させてください。
そして疲れて寝ているときにしっかり褒めてやってください。
気が付けば体重は減り、無駄吠えも少なくなっているはずです。
あるいはご愛犬が吠えそうな場面が来る前におやつなどで気をそらし、ポジティブな印象を与えることも大事です。(おやつの量にはお気をつけくださいね、若干食事量を減らしてもいいです)
「生まれ持っての気質」はただ「吠える」とか「落ち着きがない」と言うものではなく、「これまでの犬以上に体力も能力も優れている」のかもしれませんよ。
秋から冬にかけては気温が低く犬の運動には適していますからどうぞお試しください。

>mayuさん
このテストは満点合格ではなく各分野50%または全問中75%正解です。もちろん思考の幅を考慮してのことです。
もしも間違った点がわかればテストを通して何かを学び取ることにもなりますから、丸暗記・答えはひとつだけ!といった構成は意味がありません。
そう、基本を知ること、これがテストの目的です。
ただの対症療法ではなく原因に対して対処するのはとても大事で、もっと前後左右の関連性をも視野に入れて考えなければいけません。
犬の思考をどこまで読めるか?犬の視線に立って考えてみたいですね。

>あがさん
フォローありがとうございました~。(あいかわらずトロいレスですびばせん)
史嶋さんのお話はジャックだけではなく結構他の犬(テリア系ならなおさら)にも効きます。
あちこちたくさんヒントが隠れていますから、困ったときには読み返してすぐさまコメント、ですね。(笑)

>関東リーマンさん
私個人的にはどんなに自分の犬が良い犬だとしても絶対的な信用は置けないと思うのですが、世の中は盲目的な方も多いようで。(^^;)
犬はね、見てますよ、いつ飼い主が目をそらすか隙をうかがってます。(笑)
それほど利己的です。

投稿: 京子アルシャー | 2009/11/11 06:30

割と親しいゴールデンレトリーバーの飼い主さんが、
あるとき公園で放していたら向こうから来たおばさんが犬を見て立ちすくみ、
ついで後ずさりしたって言って笑うんです。
いかにもその犬はゴールデンとしてもずいぶんおとなしい
気のいい犬ですけど、普通の人はそんなこと知らないわけです。
素性の知れない大きい犬が放されていて近づいてきたら
後じさりするのがある意味正しい行動ではないですか?
笑うところではないですよね。

投稿: 関東リーマン | 2009/11/11 11:47






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