トップ >  暮らし・日常 > 犬と歩くベルリンの壁・境界線跡地

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街中心部石畳のニーダーキルヒナー通りに残る壁。表面は人々によって剥がされていった。

1989年11月9日、ベルリンの壁が崩壊した。あれからちょうど20年。

ベルリン西部をくるりと囲み、東西ベルリンを南北に断絶した壁は全長167.8kmにも及ぶ。

1961年8月に突然引かれた境界線によって家族親戚友人達と強制的に離別された人たちのうち、崩壊までの28年間に西ベルリンへ亡命を試み200人近い人が命を落としたともいわれる。

そして東西冷戦の象徴といわれたこのベルリンの壁が開かれたのもまた突然であった。当時まだ大学生だった私は深夜のニュースで『壁崩壊』を聞いたのを覚えている。まさかその跡地を犬連れとして利用しようなど、到底思いもしなかった。

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[Photo from de.wikipedia.org]

黄色い線が壁。周囲をぐるりと囲まれた陸の孤島西ベルリンへの入り口は14箇所しかなく、物資はアメリカ軍による航空輸送に頼ってた。

壁が崩壊した後、境界線の緩衝地帯だったところにはただ広大な草地だけが残された。住宅地などに開発された旧境界線は街の中などほんの一部、その他はせいぜい監視塔や照明塔が撤去されたものの現在でもその多くがほぼ手付かずである。

この旧境界線、犬連れには実に持ってこいなのだ。

例えばベルリンで新しく犬を飼い始め、どこで犬を運動させることができるかドッグランなどの情報について最寄の役所に問い合わせたとすると、もちろん区内のドッグラン情報などは教えてくれるが、そこでこっそりと「旧境界線へ行け」と言われる。

非公式ながら市が奨める犬の運動場、それが旧境界線なのだ。空き地ができたからといって急いで開発することをせず、わざわざ市民の憩いの場として解放している。太っ腹というか、大らかというか、自然好きなドイツらしいというか、とにかく犬連れにはありがたい限りだ。

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ベルリン北部フローナウの境界線跡地。雨が降っても泥んこにならない砂地から時々にょきにょきと生えている太い電線にご注意。

ベルリン北部の境界線跡地では両脇を森に挟まれた幅100mほどの砂地が1km以上も続き、どんなに犬がモーレツに走ったところで誰にも迷惑はかけないけれど、時々馬連れにも出くわすことがあるのでビビッてはいけない。ところどころに境界線の残骸として極太の電線やコンクリの塊が地面から顔を出しているのにはちょっと気をつけなければならないが、いつまでも歴史を思い出させてくれる貴重な遺物である。

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ベルリン南部マリエンフェルデの旧境界線緩衝地帯。緩衝地帯の先はただの草地、一体どこまでが緩衝地帯だったのかもう分からない。ここから道路を隔てた反対側には壁の崩壊後に「桜基金」を通して植えられた桜並木があり、毎年春に桜祭りが催されている。

南部の境界線跡地では境界線に沿って建てられた高層マンションを眺めつつ、広い空を渡ってくる風に吹かれながら散歩ができる。しかし数年前に馬の放牧用にと柵が設けられ、ちょっと手狭になってしまった。ま、家が建つよりはずいぶんとマシなのだが。

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ベルリン南部テルトウ市境界線跡地に放置されている壁たち。たったこんなコンクリの壁ごときで20年以上も人々が別れ別れにさせられていたなんてやはりちょっと胸が痛む。

南部境界線の後ろ、ブランデンブルグ州に入ると取っ払われた壁が比較的無造作に放置されているところがある。この20年間捨てるでもなく大事に保存するでもなく、ただそれぞれが複雑な思い出を持つこの壁の扱いにいまだに迷っているかのように、壁は放置されている。私達のような散歩ついでの犬連れのほかには、特に誰かがわざわざ見物に来ることもないようだ。

人々は当時どんな思いをしながら壁の前を歩いていたのだろう?

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コメント

こんにちは。
先日テレビでお姿を拝見してから、ブログもなんだか、読みやすくなりました(笑
読みやすいという表現が適当かどうか分かりませんが、より現実的というか、より身近に感じてしまうのは私だけでしょうか。

投稿: あみまま | 2009/11/06 11:42

つい最近プロイセンの歴史に関する本を何冊か読みました。
それまでベルリンの有名な門の名になっている
ブランデンブルグという土地について何の知識もありませんでしたが、
後のドイツ統一の核となったプロイセンという国家はここから始まったんですね。

投稿: 関東リーマン | 2009/11/06 11:45

私もたった今、テレビ「地球アゴラ」を見終わりました。You Tubeでupされているのを見つけました。動くボダイちゃんも見ることができうれしくなりました。ブログで読んでいた施設のことも、映像で見ると説得力がありました。京子さんは思っていた通りの素敵な方だと思います。

投稿: kちゃん | 2009/11/09 17:28

>あみままさん
これはこれは、どうもありがとうございました。
今まで得体の知れない状態でしたが、もうこれで面が割れてしまいましたから私は背筋を正す次第です。(笑)
これからもよろしくお願いします。

>関東リーマンさん
歴史から言うとブランデンブルグはベルリンよりも重要な地位にあると思います。
犬に関して言えば動物保護法の元(刑法内動物保護の項)を作ったのもプロイセン時代でしたし、プロイセンの王様達はみな犬好きでした。
そのお陰でお膝元であるベルリンの森(元々狩猟に使っていた森)が今も犬たちに解放されているといっても良いほどなんですよ。
フリードリッヒ2世はイタグレをこよなく愛し、晩年は10頭くらい飼っていたようで、「死んだら犬たちと一緒の墓にしてくれ」と遺言したのは有名な話です。
プロイセン後のドイツ帝国初代皇帝ビスマルクも犬好きで、彼はドイチェ・ドッゲ(グレートデーン)を2頭連れていました。
その後のヒトラーも...延々と犬好きが続いている国なんですね。

>kちゃんさん
ご覧いただきありがとうございました。(なんでもありますね、YouTube)
他のみなさんの愛犬たちがかいがいしくも大変協力的なのにくらべ、うちの犬はもっぱらやる気がなく、まさにいつもどおりでしたね。(笑)
本当はもっともっとお話ししたいことやお見せしたいところがたくさんあるんですよ~。
だからこれからもよろしくお願いします。

投稿: 京子アルシャー | 2009/11/18 21:57






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