とある日の朝10時、「もう来た?」と一人の老婦人が私に聞いた。「もうすぐじゃないですか?」と私は答え、窓の下を見た。
この日私はベルリン市内のシニア・レジデンス(高齢者終身介護施設)「Pro Seniore」を訪れていた。老婦人は週に一度の訪問犬サービスを待っていたのだ。
しばらく窓の下を眺めていると、ようやく勢いよく施設へ向かって走ってくる黒い犬の姿が見えてきた。
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とある日の朝10時、「もう来た?」と一人の老婦人が私に聞いた。「もうすぐじゃないですか?」と私は答え、窓の下を見た。
この日私はベルリン市内のシニア・レジデンス(高齢者終身介護施設)「Pro Seniore」を訪れていた。老婦人は週に一度の訪問犬サービスを待っていたのだ。
しばらく窓の下を眺めていると、ようやく勢いよく施設へ向かって走ってくる黒い犬の姿が見えてきた。
異なる二つの群れに属することは犬にとってはたしてただのストレスか?それとも楽しみ2倍か?
「一頭の犬を二家族で共同で飼う」というドッグ・シェアリング。聞いた人の多くがまずは眉をしかめることだろう。
ドッグ・シェアリングと言う名前が「カー・シェアリング」(車を別々の家族が1台の車をシェアして乗ること)を連想させ、「犬と車を同じように扱うな!」「犬には安定した群れとリーダーの存在が必要だ」と反対派は声を上げている。たしかに、犬種によっては一人の主人に付くワンマンドッグがいるから、慕う飼い主と離されることで不安を感じる犬だっている。
一方で、誰にでも愛情を示し状況を受け入れる犬だっているし、自分の家族と一緒に暮らすだけでは退屈を感じ問題行動へと発展する犬だっている。
犬に安定した群れの存在は必要だけれど、現実的にはその群れから離されて毎日長時間の留守番を強いられている犬が多くいることを考えると反対派の意見ばかりが正しいとも思えない。今回はこの部分について、私なりに少し考えをめぐらせてみた。
[Photo by lolainsydney]
イギリスのペット・パス。
個体識別の手段としてマイクロチップの話に続き、血統書のほかに個体識別を必要とする場面についてお話しよう。
犬を飼っている飼い主には狂犬病予防法により毎年の狂犬病予防のためのワクチン接種が義務付けられている。
[Photo from Wikipedia]
ネコの皮下に入っているマイクロチップ。
マイクロチップ。円筒形の集積回路で、生き物の体内に埋め込んでも、害のないガラスで覆われている。直径は2mm、長さは10円玉よりちょっと小さいくらいくらい、長粒の米つぶのような感じだ。
チップには15桁の番号が記録されていて、その番号を読み取る機械(リーダー)をかざすと、リーダーから発せられる電波を受け取ることでチップは電波を発し、リーダーに番号が表示される仕組みになっている。
飼い主の住所等の情報は、データベースにあらかじめ登録しておき、番号を問い合わせることで、その犬の飼い主が誰であるか、どこに住んでいるかなどがわかるようになっている(データベースの閲覧は行政や獣医師のみ可能)。つまり、マイクロチップ自体は、いわゆる GPS のように、その動物がどこにいるかなどを実際に示す道具ではない。しかし、確実に個体が識別できる方法として、世界中で使われている。日本では、飼い主の住所等のデータは、AIPO(動物ID普及推進会議)に登録される。
いわば、体内に埋め込む、ネームタグのようなものだ。いや、それ以上の役割が、マイクロチップにはある。

その昔、純血種がまだまだ珍しかった頃、犬種の定義(スタンダード)に沿った個体であることを証明し、犬種を守るために作られた血統証明書と言うもの...
愛犬が純血種であるという場合、何よりもそれを証明するのが血統書であるはずだ。
「はず」と書いたのは、その血統書の記載事項に誤りがなければ、と言う前提条件付きだからだ。
血統書の記載事項の真偽は別のテーマとして、今回は記載事項の中身を見てみよう。