ニホの旅立ちは突然だった。
朝の散歩の途中、それまで普通に歩いていたニホだったのに、急に足取りが乱れてその場に座り込んでしまった。
なじみの動物病院に連れていって検査してもらうと、白血球が異常な数値を示しており、心臓も肥大していた。点滴を打って様子をみるしかない、と医師にいわれ、僕はニホを病院に預けて家に帰った。
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ニホの旅立ちは突然だった。
朝の散歩の途中、それまで普通に歩いていたニホだったのに、急に足取りが乱れてその場に座り込んでしまった。
なじみの動物病院に連れていって検査してもらうと、白血球が異常な数値を示しており、心臓も肥大していた。点滴を打って様子をみるしかない、と医師にいわれ、僕はニホを病院に預けて家に帰った。
八ヶ岳山麓には、遠足に手頃なトレイルがいくつかある。登山やトレッキングほどハードではなく、お弁当を持って遠足気分で歩ける気持ちのいいトレイルがあちこちにあって、ときどき僕はサンポとトッポを連れて大人の遠足を楽しんでいる。
そして今日(6月2日)も、八ヶ岳や南アルプスの峰々を眺めて朝の散歩をしていたら急に出かけたくなり、サンポとトッポを車に乗せてふらりと遠足に出かけた。
わが家の一日は、サンポとトッポの「ヒャン!」という声ではじまる。グランドフロアで寝ていたサンポとトッポが「朝だよ、みんな起きて! 私を外に出して!」と訴えているのである。
不思議なことに日の出が早い夏だろうが、まだ薄暗い冬だろうが、だいたい6時過ぎに犬たちは僕らを起こしてくれる。どうやって時刻を知るのかわからないけど、おかげで僕は目覚まし時計をかける必要がないのである。
ニュージーランド南島の最南端に、ハンプリッジトラックというトレイルがある。2001年に整備された新しいトレイルで、日本のガイドブックにはまだ掲載されていないが、ニュージーランド観光局に「ぜひとも歩いてもらいたい」と招かれ、極上のトランピング(ニュージーランドではトレッキングをこう呼ぶ)を堪能した。
観光局が太鼓判を押すだけあって、ハンプリッジトラックはすばらしいトレイルだった。原始の森林地帯から眺めのいい稜線、森林鉄道跡、海辺など、風景が変化に富んでいていずれも美しかったし、トレイルの整備状況も山小屋の設備も申し分なかった。
僕とヒマラヤの犬のトレッキングは続いた。いくつかの集落を通り過ぎ、そのたびに地元の犬たちと対決を繰り返して、夕方に目的地の温泉タトパニに到着した。そしてタトパニで一番大きなロッジに入ると、スタッフは僕らを笑顔で迎えた。